背水の森保監督「勝利だけ考える」 DF吉田麻也「W杯に出る、出ないは死活問題」

 「W杯アジア最終予選、日本-オーストラリア」(12日、埼玉スタジアム)

 日本代表は11日、W杯カタール大会アジア最終予選B組第4戦のオーストラリア戦に向けて、試合会場で冒頭15分間を除く非公開で最終調整した。公式会見に臨んだ森保一監督(53)は「勝利を目指して戦うことだけ考える」と必勝を誓った。敗れれば7大会連続のW杯出場が遠のき、指揮官の進退問題も浮上する。DF吉田麻也(33)=サンプドリア=は「W杯に出る、出ないは死活問題」と危機感を募らせた。

 日本代表と森保監督の未来を懸けた一戦となる。敗れれば自動的に本大会出場権を得る2位以内は絶望的となり、森保監督にとっても進退問題に発展する可能性がある。必勝を期す大一番を前にした指揮官は「厳しい状況に置かれていることは承知している。まだまだ巻き返せるチャンスはある。勝利を目指して戦うことだけ考えて臨みたい」と静かに意欲を述べた。

 選手起用について「勝つためにベストなメンバーを選ぶ」と多くは語らず「選手への信頼度は全く変わっていない」と断言したが、負の流れを断つべく変化は必要だ。中盤の人員構成は見直され、サウジ戦で致命的なパスミスを犯した柴崎が先発から外れ、守田を送り出す可能性が浮上。新進気鋭の田中の抜てきもあり得そうだ。

 「フィジカルの強さがあり、技術的にも優れている」と分析するオーストラリアにどう対峙(たいじ)するか。森保監督は「(相手と)マッチアップした時にどういうことが生まれるか」と語り、大迫も「明日の試合で試そうというか、やろうとしていることがどうなるか」と話すなど、布陣変更も含めた乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負手を示唆する言葉もあった。

 「厳しい戦いも含め、好きなサッカーを楽しんでもらえるように環境づくりするのが私の役割」とあくまで選手を思いやる指揮官だが、主将の吉田は悲壮な覚悟を隠そうとしない。「W杯に出る、出ないというのはサッカーに携わる全ての人の死活問題」と危機的状況を直視した。

 サウジ戦に敗れた直後には「結果が出なければ協会、監督、そして選手も責任をとる覚悟はできている」と強い口調で敗戦を受け止め、予選敗退に至れば「すぱっとやめようと思っている」と代表引退までも明言した。

 8日には元日本代表の本田圭佑(スドゥバ)が「大いにこの逆境を楽しめ」とツイート。吉田は本田流に理解を示しつつも「楽しむ一方で、自分たちでまいた種を刈り取らないといけない」と代表選手としての重圧を一身に受け止めた。「勝負事に絶対はない」と繰り返してきた森保監督だが、今回ばかりは勝利が「絶対」となる。

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