二階堂蓮は涙の銀メダル「悔しいっす」1回目140m首位も2回目にプレブツに逆転許す 二人三脚の父に「ごめん」1分半抱き合い号泣 日本勢28年ぶりLH制覇ならず
「ミラノ・コルティナ五輪・ノルディックスキー・ジャンプ男子個人ラージヒル・決勝」(14日、プレダッツォ・ジャンプ競技場)
五輪初出場でノーマルヒル銅メダリストの二階堂蓮(24)=日本ビール=が今大会3つ目のメダルとなる銀メダルを獲得した。1本目でヒルサイズに迫る140メートルのビッグジャンプでトップに立ったが、2本目で141・5メートルを飛んだプレブツ(スロベニア)に逆転を許した。日本勢では98年長野五輪の船木和喜以来28年ぶりの金メダルには届かなかった。今大会3つ目のメダルで1大会のメダル数も長野の船木の3つに並んだ。17日の男子スーパー団体で最多記録に挑む。
絶好調の24歳が世界の頂に迫った。上位選手も苦しむ中、1回目でヒルサイズに迫る140メートルのビッグジャンプでトップに立った。直前にプレブツがヒルサイズ越えの141・5メートルの大ジャンプで重圧をかけられた中での2本目。136・5メートルにとどまり、逆転を許した。着地した瞬間に顔をゆがめ、首をひねった二階堂。得点が表示され、悔しそうに顔をしかめた。
その後は父・学さんと30秒以上抱き合って涙。父に声をかけられ、目をこすり、がっちりと握手を交わした。試合後は「悔しい~。悔しいっす。いや~もう絶対にドメンも2本そろえてくると分かっていたので、2本目ちょっと失敗しちゃって、うまくいけばっていうのがよぎってしまう。悔しいですね」と悔恨した。それでも「もしかしたらまた銅メダルなんじゃないかと思っていた。でもきょうは銀メダルを獲得できたので、失敗したジャンプもありましたけど、合格なんじゃないですかね。よかったっすね~。まだ本当に悔しい思いが強すぎて心から自分から祝福できないんですけど、でも、3試合連続でメダル獲得できたのは4年前の僕からしたらありえない話。そこは自分にいい聞かせて、またスーパーチームに向かって行きたい」と自分に言い聞かせていた。
個人ノーマルヒルで銅メダルに輝くと、混合団体でも4番手、エースの役割を担い銅メダル獲得に貢献した。父・学さんは1991年世界選手権代表の元スキージャンパー。学さんが出場した世界選手権と同じ場所で、波に乗っていた。
北海道江別市出身。小学2年から本格的に競技を始めた。学さんには「おまえを世界に出すまでは面倒を見るからな」と伝えられ、日本トップの技術を教わった。時には「お父さん嫌い」などと不満を漏らしながらも成長を続け、22~23年シーズンからW杯に本格参戦。長く課題としていた2本目の精度が安定し始めると、今季は初勝利を含め計7度、表彰台に上がり飛躍を遂げた。
ノーマルヒルで二階堂は、観戦に訪れていた学さんと歓喜の抱擁。親子二人三脚の物語はイタリアの大舞台でも続いている。
◆二階堂蓮(にかいどう・れん)2001年5月24日、北海道江別市出身。1991年世界選手権代表の父・学さんの影響でジャンプを始めた。東海大中退後、22年夏のグランプリで初出場初優勝を果たして頭角を現した。W杯は22-23年シーズンから本格参戦し、今季は個人で初の表彰台と初優勝を経験。167センチ、55キロ。プライベートでは、1月13日に結婚したことを自身のSNSで発表した。
