J1広島“可変型”3バック変更で劇的改善

 身体も頭脳も疲弊しきったJ1広島の公式戦17連戦が終わった。4月3日のG大阪戦から2カ月間、ほぼ休みなし。中3日と中2日の繰り返しの中で、心身の疲労をリセットする時間もなかった。

 それでも、何人かは筋肉系の故障に見舞われたが大事には至らず、ケガ人続出という状況に陥らなかったことは幸いだった。池田誠剛フィジカルコーチをはじめスタッフたちの努力と選手たちの自己管理の賜物(たまもの)だと言いたい。

 だが連戦中の勝利はわずか4。ルヴァンカップはグループステージ敗退が決まり、リーグ戦は連戦前の4位から9位へと後退した低迷は痛恨の極み。ただ「連戦であっても選手を入れ替えながらやっているし、そこは関係ない」と佐々木翔主将は言い切った。城福浩監督も「みんなで連戦を乗り切ろうと頑張った。結果は監督である自分の責任」と語る。

 課題は得点力不足に尽きる。17連戦中、複数得点が5試合なのに対し、無得点が9試合。特に前線の得点力は大きな課題で、17連戦中のFWの得点はジュニオールサントス1点、浅野雄也3点、鮎川峻1点の計5点のみ。

 連戦当初は「チャンスを決めれば」という印象だったが、4月10日の湘南戦から鳥栖戦までの公式戦9試合で1勝3分け5敗5得点という結果とともに内容も低下。チャンスの総数も質もガックリと減った。結果と内容は常にリンクする。勝てないことで自信を失い、得点できないことで焦りを呼ぶ悪循環に陥った。

 5月23日のC大阪戦、城福監督はシステム変更を決断する。それは以前の3バックと同じではなく、状況次第で形が変わる可変型だ。3バックで役割を明確化し、4バックで目指したフレキシブルな良さもミックス。「タスク明確化という制約の中での自由を表現してくれた」と指揮官も手応えを感じている。

 C大阪戦後は1勝2分け。内容は劇的に改善された。あとは結果を出していくだけ。リーグ戦は3週間の中断期間に入った。17連戦の疲労を取り、トレーニングによって戦術とスキルのブラッシュアップを重ね、成長に向けて歩き出す。(紫熊倶楽部・中野和也)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス