中村憲剛が現役引退「40歳の区切り」 川崎の大黒柱、バースデー弾翌日に電撃発表

 サッカーJ1川崎の元日本代表MF中村憲剛(40)が1日、今季限りで現役を引退すると発表した。2003年の加入から川崎一筋18年で、クラブの象徴とも言える大黒柱は、オンライン会見で40歳を区切りとしていたと明かした。今後に関しては模索中で「やるべきことを探していけたら」。16年にはリーグMVPにも輝いたJ屈指の名手がスパイクを脱ぐ。

 チームメートもスタッフもサポーターも。誰もが口をそろえる「まだできるでしょ」の言葉が、門出に立つ中村には一番の褒め言葉だった。「この年齢で、これだけ請われる、求められる選手のままで引退したいというのがあったから」。そう話す表情には一点の曇りもなかった。

 それは壮大なエンディングプランだった。30歳を超えたころ、引き際を漠然と考え始めた。まだ悲願のタイトルを獲得する以前、2015年に迎えた35歳の誕生日、加奈子夫人だけに40歳を区切りとする決断を明かした。「目の前の一年一年を勝負に頑張ろう」。強く、重い覚悟の挑戦。だからこそ「(決意は)10年もの。今でも撤回しろと言われますけど、3日、4日で決めたことじゃない」とキッパリと話した。

 ゴールを定めてから走り抜けた5年間は、不思議と個人でもチームでも悲願だったタイトルに恵まれた。「誰かが何かを操作しているというか。スピリチュアルな部分がないと説明できない。言語化できない」と笑う。だがそれも一つのクラブと共に歩んできたからこそだ。

 J2だったプロ初年度、満員の等々力を夢見てチームメートと語り合った。J1でも強豪の一角に名を連ねるも、あと一歩が何度も届かず、シルバーコレクターとも言われた。

 そんな歴史は中村憲剛が40歳まで走り続けた原動力であり、サッカー選手としての一部でもある。「みんなが同じ方向を向いて頑張る大切さや尊さはこのクラブに入って知った。サポーターと一緒になって大きくなる成功体験も、この18年で積み重ねてきたことが一番の財産」。クラブ、ファンサポーターへの感謝は尽きない。

 最大11試合を残すラストシーズン。「一日も無駄にしたくないし、楽しみたい。みんなと一緒にタイトルを取りたい」。“まだできる”からこそ、感謝の気持ちをプレーで体現し、さよならの言葉に代える。

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