【福西崇史 熱血EYE】残念だった守備ラインの勇気なき後退

 「国際親善試合、日本1-4ベネズエラ」(19日、パナソニックスタジアム吹田)

 日本はベネズエラに1-4で完敗した。14日のW杯アジア2次予選のキルギス戦からメンバーを大幅に入れ替えたが、守備が崩壊。前半だけでの4失点は国際Aマッチでは1954年5月のインドネシア戦以来、65年ぶり。後半にMF山口蛍(29)=神戸=のゴールで1点を返すのがやっとだった。年内のW杯アジア2次予選を4戦全勝で終えている日本は、12月に東アジアE-1選手権(10日開幕・韓国)に出場する。

  ◇  ◇

 前半は本当に残念な戦いだった。立ち上がりにあれだけパスミスが出れば相手の流れになるし、立て続けの失点で相手に余裕を持ってパスを回された。一番ガッカリしたのは、守備ラインが怖がってズルズルと後退したことだ。

 一対一で相手に付ききれず、ただ下がるばかり。でも、それでは余計に相手の思うようにプレーされてしまう。4失点目などは守備ラインが4人並んで下がるだけで、何もしていなかった。

 ラストパスを出す選手に寄せきれず、シュートを打つ選手とも競り合えない。これでは世界相手には通用しない。この守備からでは中島のドリブルや柴崎の展開力でしか攻撃できず、それも単発にならざるをえなかった。

 後半はアグレッシブにボールを奪いにいったことで、高い位置から攻撃できた。その結果、守備ラインもハーフラインを越えて守れた。これを前半からやってほしかった。

 いいアピールができたのは後半開始から入った古橋だ。ドリブル突破もあり、中盤を押し上げるパスのつなぎもあった。浅野と2人でスピードを生かし、パスの出し手からすると確実に選択肢が増えた。代表デビュー戦で、使える選手だと証明できたと思う。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)

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