香川3分で2発 奏でたトルコ好発進曲!「夢みたいなデビュー」

 「トルコ1部リーグ、アンタルヤスポル2-6ベシクタシュ」(3日、アンタルヤ)

 トルコ1部ベシクタシュに加入したMF香川真司(29)は6-2で大勝したアウェーのアンタルヤスポル戦で途中出場し、デビュー戦を2得点で飾った。4-1の後半36分に投入され、1分後にドリブルから右足シュートで初得点。同39分には直接FKを右足で決めた。ドイツ1部ドルトムントで出場機会を失っていた男が、新天地でこれ以上ない最高のスタートを切った。

 自然と笑顔があふれた。トルコでの新たな挑戦。漆黒のアウェーユニホームを身にまとった背番号23はわずか3分間で、サポーターの心をわしづかみにした。デビュー戦で圧巻の2得点。「1試合だけなので。次に切り替えて、こういう結果を常に出せるようにやっていきたい」。それでも香川は浮かれず、前を見据えた。

 ベンチから戦況を見つめていた男に出番が巡ったのは、4-1の後半36分。ピッチに入って1分後にいきなり魅せた。ドリブルとまたぎフェイントで仕掛け、ペナルティーエリア外からDFの股下を通す巧みなシュートで初ゴール。その2分後には、30メートル近い距離のFKを直接狙う。これまであまり見せたことがない縦回転の一撃は、ゴール前で急激に落ちて見事にネットを揺らした。

 デビュー戦にはめっぽう強い。ドイツ1部ドルトムントでの欧州リーグデビュー戦は2得点。イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドでの本拠地デビュー戦も移籍初ゴールをたたき込んだ。再び節目で輝きを放ち、「夢みたいなデビューで、いいスタートを切れた」と安どした。

 昨年のW杯ロシア大会後、公式戦出場がわずか4試合にとどまり、出場機会を求めてベシクタシュにやって来た。都落ちの感も否めないが、香川に悲壮感はない。「(クラブやサポーターの)信頼を感じたし、ここでしっかり戦いたいと思った。どれだけ自分自身が結果を残していけるか。本当にそこだけだと思う」。復活を期す男が、これ以上ない第一歩を踏み出した。

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