東京V11年ぶりのJ1に王手!ロスタイム6分GK上福元ヘッドから劇弾!

 「J1参入プレーオフ、横浜FC0-1東京V」(2日、ニッパツ三ツ沢球技場)

 J2で6位の東京Vが3位の横浜FCを1-0で破って、実質的な入れ替え戦となる、J1で16位の磐田との決定戦(8日・ヤマハ)に進出した。0-0で迎えた後半ロスタイムに、右CKから攻撃参加していたGK上福元直人(29)がヘディングシュート。こぼれ球を途中出場のFWドウグラス(31)が押し込み、11年ぶりとなる復帰に“王手”をかけた。横浜FCのカズことFW三浦知良(51)はベンチ入りをするも、出場はなかった。

 ドラマの結末は、どこまでも劇的だった。0-0で突入した後半ロスタイム。7分と示された追加時間が5分台に突入したところだった。引き分けなら規定により敗退が決まる。右CKを獲得すると、GK上福元はベンチを見た。「(前線へ)上がりたいと意思表示をしたら、ゴーサインが出た」。数分前のCK時にはロティーナ監督からストップが出ていたが、最後の最後で攻撃参加の許可。迷わずゴール前へかけていった。

 キッカーMF佐藤の助走に合わせ、ニアサイドへ走り込む。「自分が上がることで、雰囲気が変わるというか、とにかく得点に貢献したかった」と振り返ったが、放たれたボールはまっすぐ自分へと向かってくる。「まさか来るとは。どこかを狙うとかではなく、とにかく枠(内)に飛ばそうと」。頭で捉えたボールは相手GK南に阻まれたが、そのこぼれ球をFWドウグラスが押し込み決勝点。守護神から一転して“下克上”の立役者となった上福元は、自陣のゴールに戻る前にベンチから飛び出してきた選手、スタッフにもみくちゃにされた。

 悲願のJ1復帰が見えてきた。最後の相手はJ1で16位の磐田。本職のGKとして2戦連続で完封した上福元は「大久保(嘉人)選手など、前線の選手も含め、タレントがいてJ1のチームだなという感じはする」と警戒しつつも「集中して、やるべきことをしっかりとやれれば勝利をたぐり寄せられると思う」と気合を入れ直す。来季、11年ぶりとなるJ1の舞台へと戻る。

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