J2徳島、次こそ勝利を…ずっとそばで応援してくれた天国の大杉漣さんへ

 「明治安田生命J2、徳島0-1岡山」(26日、鳴門大塚ポカリスエットスタジアム)

 J2が開幕。徳島はホームで岡山に0-1で敗れた。徳島県小松島市出身で、熱心なヴォルティスサポーターだった俳優・大杉漣さん(享年66)が21日に急逝。イレブンは喪章をつけて戦ったが、ゴールが遠く、勝利を届けることはできなかった。

 深い悲しみと感謝の思いがスタジアムを包んでいた。キックオフ直前、選手もサポーターも全員が静かに目を閉じ、黙とうを捧げた。「大杉さんが見てくださっている。恩返しするために、全力で戦おう」。徳島MF岩尾憲主将(29)は心に誓ったという。

 小松島市出身で、熱心なヴォルティスサポーターだった大杉さんの急逝は、徳島イレブンにとっても大きなショックだった。Jリーグ参入前から応援を続け、忙しい仕事の合間を縫ってスタジアムにもたびたび観戦に訪れていたことを選手たちはよく知っている。

 昨年5月の岐阜戦では、試合前にピッチに登場して花束贈呈のセレモニーを行った。そのとき花束を受け取った岩尾主将は大杉さんから「いつも応援しています」と声をかけられたという。

 会場には記帳所が設けられ、多くのサポーターが遺影の前で手を合わせた。試合前には、05年に大杉さんがクラブに送ったメッセージが大型ビジョンで紹介された。

 「人生のなかで好きなものと出会う サッカーもそのひとつです そんなステキな一喜一憂を 全身で味わうつもりです!!」

 選手は左腕に喪章をつけてプレーした。白星を捧げたかったが、岡山の堅い守備を崩せなかった。前半27分にFKから失点。12本のシュートを放ったが、ゴールは遠かった。

 8753人が集まった開幕戦。多くのサポーターが、そして天国の大杉さんが、徳島の2度目のJ1昇格を期待している。「大杉さんは、きょうの試合は納得していないと思う」と岩尾主将。次こそは勝利を届ける。

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