「明治安田生命Ｊ１、広島１－０札幌」（２４日、エディオンスタジアム）

　広島はホームで札幌と開幕戦を戦い、新加入のＦＷティーラシン（２９）＝タイ＝のゴールで１－０で勝利した。城福浩新監督（５６）の下、昨季１５位からの巻き返しを狙う広島。“タイの英雄”の異名を持つ点取り屋のＪデビュー弾で絶好のスタートを切った。

　約１万７０００人が詰めかけたスタジアムに大歓声が上がり、タイの国旗が揺れた。前半２８分、ＭＦ柏からのクロスにティーラシンが鋭く反応。ドンピシャのタイミングで頭を合わせてゴールネットを揺らした。

　「公式戦初試合でゴールを決めてチームの勝利に貢献できたことは良かった。サポーターも温かく歓迎してくれたのでうれしい」

　タイ代表では９１試合で４２得点。札幌ＦＷチャナティップ、神戸ＤＦティーラトンとともに母国ではスーパースターだ。この日は両親と妻子がタイから駆けつけ、タイメディアも来日。母国ではパブリックビューイングで試合が放映された。

　「タイでは３人の中で誰が一番点を取るかが注目されているんだ。きょう決められてホッとした」と笑顔のストライカーに、城福監督も「得点に絡んだだけでなく、カウンターの起点になった場面もあった。初戦にしてはよくやってくれた。彼のポテンシャルを考えれば、やれると思うし、やってもらわないと困る」と期待の大きさを口にした。