【福西崇史 熱血EYE】逆算した動きが光ったFW小林
「サッカー・E-1選手権、日本2-1中国」(12日、味の素スタジアム)
日本は後半にFW小林悠(30)、DF昌子源(25)がともに代表初ゴールを挙げ、中国を2-1で下し、2連勝で勝ち点6として首位を守った。16日の最終戦・韓国戦に勝つか引き分ければ、2013年以来2大会ぶりの優勝が決まる。
◇ ◇
【福西崇史 熱血EYE】
前半は物足りなさも感じたが、後半の途中で横の揺さぶりから縦へとボールが入るようになった。相手が混乱し、スペースも生まれた。もっと早くにできていれば、もっとボールを回せたはずだ。
先制した場面は、小林が次へと向けて走っていたから、倒れ込みながらでも入れることができた。その前に川又が強引にいっていたが、彼の近くにいればゴールへ結びつくことが起きると探し出せるのは小林の能力。彼の良さは、点を取るところから逆算した動きをしている点だ。
川又の強引さは、先制点を呼んだ要因の一つでもある。彼が入ったことで縦が意識され、中盤の選手が前に出ていけた。昌子の追加点にしても、1点を取っていたから出来たプレー。このような思い切ったプレーは相手が嫌がるし、もっとやってもいい。
アピールという点では小林、昌子のほかに、倉田も出来たのではないか。倉田は相手のプレッシャーをかいくぐって縦パスを選択していたし、気持ち的にも余裕が見て取れた。
もっとも、最後は2点あっても守り切らないといけなかった。もっと前への意識がないと押し込まれる。中途半端なプレーは失点につながってしまう。(02年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリースポーツ評論家)