ハリルJAPAN ドローで最低限の王手 守備で痛恨ミス「少しおかしな失点」

 「W杯アジア最終予選、イラク1-1日本」(13日、テヘラン)

 B組首位の日本は同5位のイラクと1-1で引き分け、5勝2分け1敗の勝ち点17とした。8月31日にホームで行われる次戦でオーストラリアに勝てば、6大会連続6度目の本大会出場が決まる。4位・アラブ首長国連邦がタイと1-1で引き分けたため、B組3位以上が確定した。前半8分にFW本田圭佑(31)=ACミラン=のCKからFW大迫勇也(27)=ケルン=が頭で先制。しかし、その後は追加点を奪えず、後半27分に同点ゴールを許した。

 ぐったりとベンチに座り込み、テヘランの空をにらんだ。終了間際、MF本田のシュートが相手GKにキャッチされると、ハリルホジッチ監督は天を仰ぎ、ベンチへと引き下がった。直後に響く終戦のホイッスル。6大会連続のW杯に王手はかけた。ただ、何かモヤモヤとしたものが残るドロー決着となった。

 試合後の指揮官は、不満を隠さない。「全く満足していない。この試合に勝つためにここに来た。ハーフタイムには2点目を取れば、試合を終わらせることができると話をしたが、少しおかしな失点をした」。開始時の気温は37度超。酷暑の中で走りきった選手たちを「このコンディションでは最大を出してくれたと思う。そこを非難はできない」と評価しながらも、その表情は険しいままだった。

 アクシデントの連続だった。イラク戦へのテストマッチだった7日のシリア戦では、MF香川が左肩を脱臼してチームを離脱。右膝手術の影響で長期離脱中のMF長谷部に加え、中盤の構成力は下降線をたどった。3月のUAE戦では鬼神のごとき存在感を放ったMF今野も、コンディションが上がってこない。イランに入ってからの戦術練習では何パターンも布陣、選手の配置を試した。悩みは尽きなかった。

 熟考の末に送り出したMF井手口、MF遠藤の若きダブルボランチは、懸命に持ち味を生かしたが、井手口は相手との交錯時に頭を強く打って、後半17分に交代。さらに後半27分の失点時にはDF酒井宏が右足を痛めて負傷交代。「最後の15分は、全く違う戦術を用意していた。速いFWを入れようとしていた」と指揮官。何度も練り直した上で描いた勝利へのプランは、音を立てて崩れ去った。

 心も体も消耗したドロー決着。選手、監督共に悔しさをあらわにするが、敵地で最低限となる勝ち点1を獲得した事実は決して小さくない。B組首位を死守し、次節のオーストラリア戦(8月31日・埼玉)で勝利すれば無条件でW杯切符を手にすることになる。「オーストラリア戦が決勝戦ということになった」。しゃく熱のテヘランで感じた悔しさを、つかんだ勝ち点1を、決して無駄にしてはならない。

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