今野2年ぶり代表弾!欠場・長谷部の「17」背負い日本残った

 「W杯アジア最終予選、UAE0-2日本」(23日、アルアイン)

 6大会連続のW杯出場を目指すサッカー日本代表は、アウェーでUAEに2-0で勝利した。前半14分にFW久保裕也(23)=ヘント=が先制点を挙げると、後半7分にはMF今野泰幸(34)=G大阪=が追加点。守備陣も無失点に抑えた。試合後、代表チームは28日のW杯予選・タイ戦(埼玉)に向け、チャーター機で成田空港に帰国した。

 与えられた使命を、完璧にこなした。対UAE対策の肝となった今野は「必死でした。できすぎですね。奇跡です、奇跡」。15年3月のウズベキスタン戦以来2年ぶりに代表カムバックを果たした勝利の立役者は、安どの表情で汗をぬぐった。

 胸の中で渦巻いていた不安な気持ちを、強い決意で乗り越えた。試合前には同じ左サイドを形成するDF長友、FW原口と何度も話し合いを行い、戦術を確認。相手司令塔のO・アブドゥルラフマン封じは、全体ミーティングでも「守備面では(全体戦術の)80%か90%ほど(の割合で)監督が強調していた」(西野技術委員長)というほど重要なタスク。司令塔を完全に抑え込み、ハリルホジッチ監督も「ほぼ完璧な試合をしてくれた」と最大級の賛辞を贈った。

 今後の代表活動について「全然考えられないっす」とかぶりをふるが、日の丸に対しては熱い思いを秘めている。宮城県仙台市出身。6年前の震災からの復興を支援する活動を続けている。「サッカー選手としての姿は、代表に入らないと見られないものもあるから」。ひたむきでがむしゃらなプレー、五分のボールに頭から突っ込む勇気、そして勝利を決定づける追加点。W杯予選で34歳57日の得点は、36歳85日のラモス瑠偉に次ぐ歴代2位の年長弾。今野が放った輝きは、深夜の東北へと確実に届いた。

 「荷が重かった」という長谷部の17番を背負い、魂の90分間を終えた今野は「勝ち点3を持って帰ることが大事だと思っていたので100点満点」と笑った。そして「(タイ戦まで)時間は短いし、難しいけどできる限り最高の準備をして、今日みたいに90分集中して、ファイトして戦えば結果は付いてくると思う。最高の準備をするだけ」と次なる戦いを見据えた。

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