ラモス瑠偉氏が涙の復帰会見 昨年末に脳梗塞「80まで生きて吠えるよ!」

長男・ファビアノさん(左)からサッカーボールを贈られ記念撮影に納まるラモス瑠偉=東京・ラモスフィールド(撮影・開出牧)
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 昨年末に脳梗塞が見つかったサッカー元日本代表のラモス瑠偉氏が2日、都内のフットサル施設・ラモスフィールドで復帰会見を開いた。本格的な仕事復帰は4月1日を予定している。まだ経過観察が続くが、時折涙を流し、「またサッカーをしたい」と思いを語った。

 会見場には自分の足ですたすたと歩いて姿を見せた。サッカーのキックのまねをして「ボールがない」とおどける一幕も。「何より早く元気な姿を見せたくて。いろんな人に迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした。この通り、元気です。照れくさくて…。1曲歌おうか」と報告した。

 ラモス氏は昨年12月29日朝7時ごろに体調の異変に気づき、妻の俊子さんが救急車を呼んだ。病院で右中大脳動脈に脳梗塞が見つかった。発見が早かったことが幸いし、2日後から車椅子で歩行器でトイレに行くなど動き始めた。入院から1週間後の1月6日からリハビリを開始した。

 会見の途中でラモス氏は涙しながら「私は神様を信じる身だし、死ぬのは怖くないけど、一番嫌だったのは二度と妻、息子、娘に会えないのが一番つらかったです」と治療やリハビリの道のりを振り返った。2週間前にも妻がリハビリの模様を撮影したビデオを見ながら泣いていたといい、「本当に自分のお母さんに感謝しないといけないのは、この体に産んでくれたこと」と語った。

 1月24日にリハビリテーション施設に転院し、1日合計3時間のリハビリを行っている。右脳に梗塞を発症したことから、発症当初は左手が上がらなかったり、座った状態で左足が伸ばせなかったりと思うように体を動かせず、「木を殴って怒られたりした」。

 しかし、動かせる右足でサッカーボールを用いたリハビリをすると「右足でとんとんとんとリフティングすると、左足でもできるようになりました」と左足甲(インステップ)で25回できるようになったという。現役当時は何回できていましたか、と司会者に話題を振られると「20回やないか!アホか!」とラモス節の突っ込みも飛び出した。

 今後は左胸皮膚下にモニターを埋め込み、心臓を観察していく。肥満、寝不足、多量の飲酒、ストレスを避けるよう言われているといい、血液をさらさらにする薬を処方されているため、出血も避けなければならない。

 27日に受けた検査では新たな脳梗塞は見つからず、ほかの体の部分も「きれいすぎる。アスリートを超えている」と良好な状態だという。しかし、「軽かったとか、運が良かったとは言わないでください。自分が歩んだ道に偶然と運なんかない。あるべきことが起きる。いい人と出会って、いい仕事と出会ったからあるべきことが起きた」と妻や医師、リハビリ担当者、応援してくれた人に感謝した。発症から3か月間は休養が必要という判断から仕事復帰は4月1日に設定している。

 歯に衣着せない語り口を変えるつもりはなく、「残念だけど80まで生きて吠えるよ。特に日本代表に対して」とほほえんだ。

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