スアレスのハットでバルサ世界一に王手

 「クラブW杯・準決勝、バルセロナ3-0広州恒大」(17日、日産スタジアム)

 4年ぶり3度目の優勝を狙う欧州代表のバルセロナ(スペイン)が、FWルイス・スアレス(28)の大会初となるハットトリックにより、アジア代表の広州恒大(中国)に3-0で快勝した。FWリオネル・メッシ、FWネイマールが欠場した中、06、09、11年に続く決勝進出を果たした。20日の決勝で南米代表のリバープレート(アルゼンチン)と対戦する。広州恒大は20日の3位決定戦で広島と顔を合わせる。

 「M」と「N」が欠けても「S」が圧巻の存在感を放った。スアレスが大会史上初のハットトリックを達成。バルセロナが4年ぶり3度目の世界一へ王手をかけた。

 試合直前には衝撃のニュースが流れた。バルセロナの公式ツイッターは、メッシが尿管結石に起因するとみられる痛みのため準決勝を欠場すると発表。左脚内転筋を負傷していたネイマールに続き、チームの得点源を失った。

 だが、さしたる影響はなかった。スアレスは前半39分、こぼれ球を押し込み先制点を挙げると、後半5分にはMFイニエスタの浮き球パスを胸トラップから右足ボレーで流し込んだ。歓喜の輪が解けるとベンチに駆け寄りネイマールと抱擁を交わした。最後はPKを左隅に沈めてゴールショーを完結させた。

 記念のボールを持ち帰り「大切なのはチームの勝利」と強調。メッシ、ネイマールの欠場にも「全員で責任をシェアした」と気負うことはなかった。チームメートからは「9番(CF)としては世界一」(DFアルバ)「素晴らしいプレーで助けてくれた」(MFブスケツ)と賛辞が降り注いだ。

 メッシ、ネイマールの決勝出場について、ルイスエンリケ監督は「様子を見ないといけない」と話すにとどめた。ただ、2人を欠いても、ボール支配率75%でアジア王者を一蹴するなど揺るがない。「子供の頃から朝6時に起きて見ていた。懐かしい思いがある」と話すクラブ世界一決定戦。夢見た頂点は目の前にある。

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