ピクシー、ラストゲームへ隠すものなし

 「J1、新潟‐名古屋」(7日、東北電)

 名古屋のドラガン・ストイコビッチ監督(48)が指揮を執った6年間を締めくくるラストゲームを迎える。

6日、最終節の新潟戦に向けて最後のトレーニング。感傷に浸りながらも、フォーメーション練習で先発メンバーを明かした。主力数人を欠くが、若手にチャンスを与え、未来へと遺産を残す。

 6年間繰り返した練習風景を慈しむように、ストイコビッチ監督は穏やかな笑みを浮かべて選手たちの動きを見守った。08年1月から、通い続けてきた練習場もこの日で最後。「私も寂しいですよ。ピッチもそう、クラブハウスもそう、お客さんのいるスタンドも、私のオフィスもそう。この場所は今後も思い出にずっと残っていく」。最後の試合前日会見でも、感傷的な心境を吐露した。

 闘莉王、ケネディ、玉田ら主力を出場停止や故障で欠く。退任決定後、10年の優勝メンバーの起用にこだわってきただけに残念さは残るが、最終戦をグランパスの未来につながる一戦にするべく切り替えた。「きょうのオレンジ色のビブスが明日のスタメンです。牟田と(田中)輝希は明日プレーさせます。後半には若手のメンバーにもチャンスを与えたい」。先発メンバーを明かしただけでなく、若手の積極起用も明言。MF田鍋、DF本多は久しぶりのベンチ入りとなった。

 「選手たちには一緒に戦ってくれたことに感謝しています。不平や文句は聞こえてこなかった。本当に私は満足しています」。笑顔で手を振り、通い慣れたグラウンドに別れを告げたピクシー。最後のさい配は、無我の境地で臨む。

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