ピクシー、名古屋でのラスト飾れず

 「J1最終節、新潟2‐0名古屋」(7日、東北電)

 鬼門ビッグスワンに降り注いだ師走の雨に、コートをぬらすことすらしなかった。最後の指揮となった名古屋・ストイコビッチ監督が、ピッチサイドまで出て指示を送ったのは前半10分ごろまで。あとは達観したかのようにベンチに腰を下ろし、戦況を見つめた。この6年間で最低となる11位でのフィニッシュ。10月の退任発表から6試合を経て、もはやピクシーに最終戦を勝利で飾る気力は残っていなかった。

 6年分の思いを込めたさい配ができなかった。出場停止でDF闘莉王、負傷でFWケネディ、玉田と、こだわってきた10年優勝時の主力が軒並み欠場。FW田中輝、DF牟田ら若手を先発起用せざるを得なかった。さらに前日の移動でMFダニルソンが新幹線の時間に間に合っていながらホームで乗りそびれるという失態を犯し、この懲罰として若手のMF田口とMF磯村を急きょ先発に。前節のスタメンから4人入れ替わった急造チームにホーム8連勝中の新潟は止められなかった。

 しかもそのダニルソンを、1点を追う後半27分にこらえきれずに投入。しかし2失点目に直結するミスを犯すなど、すべてが裏目に出た。「われわれはほぼ2軍のようなチームでした」と人ごとのように振り返ったが、若手を育て層の厚いチームを作ってこなかったツケを最後まで支払った。

 それでも試合後は選手たちを握手で迎えた後、苦楽をともにしたコーチングスタッフとともにアウェーに詰め掛けたサポーターの前に出て、深々と頭を下げた。「名古屋だけにかかわらず、私のことを応援してくれた日本のみなさん、ありがとう」。驚き、歓喜、そして凋落(ちょうらく)と、ジェットコースターのような浮き沈みを見せたピクシーの6年。希代のカリスマはJ1通算103勝という記録以上に強烈な記憶を残し、初めて振るったタクトを置いた。

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