カズダンス封印 勝利に徹する

 「フットサル国際親善試合、日本ーブラジル」(24日、代々木第一体育館)

 カズがダンスを封印して勝利に徹する。フットサル日本代表が23日、親善試合・ブラジル戦の会場となる国立代々木競技場第一体育館で試合前日の公式練習を行い、三浦知良(45)はゴールを決めても代名詞の“カズダンス”を封印することを表明した。すべてにおいて切り替えが速いフットサルでは、ゴール後のパフォーマンスをする時間が限られるためで、試合最優先、プレー第一の姿勢で代表戦デビューを飾る。

 あのダンスが今回ばかりは見られない!?「僕はあまり踊りたくないんですよね…」。J創世記から昨年の東日本大震災復興支援マッチや今年5月のJ2鳥取戦でのゴールにいたるまで、節目節目で披露してきたカズダンスの封印を三浦が宣言したのだ。

 理由は戦術的なものだった。フットサルコートはサッカーと比べて広さが約4分の1。その分、ボールが中央に戻される時間は短く、長々とパフォーマンスをやっている余裕はない。チームメートの森岡が「一緒に踊りたい」と熱望してはいたが、三浦は「サッカーと違って、すぐに始まるので、ちょっと…」と、乗り気でなかった。

 自分ばかりに注目が集まっていることも気になっていた。「みんなに引き上げてもらうだけ。ここまで引っ張っていった人に、先頭に立って引き上げてもらいたい」と、一歩引いた立場に徹するつもりでいる。公式練習ではロドリゴ監督のマンツーマンの指導をこの日も受け、ひた向きにフットサル選手として修練に励んでいる。

 監督はカズの起用法について、先発には「シーズン終盤での合流を考えると、フレッシュさでカズ選手は不利」と否定的だったが、「(負荷が)誰かに偏る展開は避けたい」とした。出場機会はほぼ、他の選手と同等に与えられそうだ。

 練習後は居残りで第2PKと呼ばれるシュートの練習をこなし試合に備えた。りさ子夫人も応援に駆けつけた。新境地となる舞台へ「初めてなので、全力を尽くすだけ。考えすぎず、でも考えながら」と慎重に語った。12年ぶりの日本代表戦は謙虚に戦い抜く。

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