「ロンドン五輪・サッカー女子・準々決勝、日本-ブラジル」(3日、カーディフ)
サッカー女子日本代表は2日、準々決勝のブラジル戦(3日・カーディフ)に向けカーディフ市内で、冒頭15分間を除いた非公開練習で最終調整を行った。ロンドンを集大成と位置づけている大黒柱のMF沢穂希(33)=INAC神戸=は、メダルへの最初の難関で、王国・ブラジルを撃破すると宣言した。
雨が降り注いだ最終調整後、日本女子サッカー界のゴッドが王国撃破を誓った。「準々決勝は負けたら終わり。負けられない。『絶対やってやる!!』という気持ちもあるし、私は絶対に大丈夫だと思う」。ブリストル海峡からの風が、沢のぬれた髪を揺らした。
W杯決勝を筆頭に、大一番だからこそ沢の底力は生きる。「勝負強さだったり、これまでの経験は生きると思う」。五輪初出場の選手もいる中で「選手間で(準々決勝の重要度の認識に)温度差はあるけど、みんなが目標にするメダルは変わらない。大丈夫だと思う」。百戦錬磨の経験でチームを引っ張る。
カナリア軍団との“レジェンド対決”も制する。マッチアップが予想されるブラジルMFフォルミガは、同学年である1978年のベテラン。ブラジルが戦った五輪すべてに出場し、ロンドンは5度目の大舞台だ。
沢も同じく日本が出場した過去3度に出場をしているなど共通点は多く、フォルミガはいわば“ブラジルの沢”とも言える存在だ。危険な司令塔を「私と(ダブルボランチの)阪口で消す。しっかり声をかけてやりたい」と封殺する。
練習後には、隣のピッチで練習していた男子英国代表のライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッド)とも遭遇して2ショット撮影。「こうやって会えるのは特別。明日のモチベーションになりますね」と満面の笑みだ。「どんな形でもいいからネットを揺らしたい」。王国ブラジルに、“神の一撃”をお見舞いし、なでしこを4強に導く。