82歳タイガー・ジェット・シン、宿敵アントニオ猪木さん墓参りで感慨「いつも近くにいる」14年ぶり来日、プロレス界に一家言「WWEのようなドラマではなく本物のファイトを」
約14年ぶりに来日したプロレスラーの“インドの狂虎”タイガー・ジェット・シン(82)が16日、横浜市で、かつての宿敵だったアントニオ猪木さんの墓参りを行った。22年10月1日に猪木さんが死去後、初めて墓前に訪れた狂虎は「イノキ!お前の魂を感じる、伝わってくるぞ。彼はこれまで合った中で最高のレスラーの1人で、最高のライバルだった」と故人をしのんだ。
シンは1973年に新日本に参戦して以来、猪木のライバルとして大暴れし人気を博した。墓参りを終えると、猪木さんの銅像の前で口を開いた。「私たちにはプロレスに対する優れた哲学と、素晴らしい闘志があった。(対戦が)新日本プロレス史上最高の視聴率を記録したこともあった。どこへ行っても超満員で、北海道でも超満員。でもリングを降りればお互いに1人の人間で、相手をわざと傷つけようとは思わらない。ただ、試合中のアクシデントで私の腕が折れてしまったこと(74年の腕折り事件)があった。今もその影響で苦しむことはあるが、こうしたミスは起こり得るものなので恨みはないよ」と述懐し、「私は彼を人間として本当によく知っていた。一緒に夢を語り合った。その夢は自然な形で今も生きていて、彼もきっと喜んでいると思う。私はとてもうれしいし、彼はいつも近くにいるような気がします」と感慨を込めた。
また、現在のプロレスに対する思いも明かし、「私は子どもの頃から、偽物や作り物が好きではありませんでした。プロレスについても同じです。私はこの業界に入って以来、命懸けで闘い、世界中で評価を得てきました。だから私は日本のプロレスにも『本物の闘い』を見せてほしい。WWEのようなドラマではなく、本当のファイトです。そうなれば若者たちをスポーツへ導き、薬物から遠ざけることができる。日本の人たちもそれを支持してくれると思います」と語った。
シンは今回、FMWで“邪道姫”として活躍した現ゼロワンGMの工藤めぐみ(57)の40周年記念大会「邪道姫伝説」(17日、代々木第二体育館)に参加するため、息子のタイガー・アリ・シンとともに来日した。また、親日家でもあるシンは東日本大震災の際には日本の被災児童へ支援を行い、24年には「旭日双光章」を受賞。今回も日本の子ども支援のため2万ドルを寄付することを表明した。
今回同行した息子のアリは「日本は私たちにとって第二の故郷です。私は子どもの頃、WWF(現WWE)ではなく新日本プロレスと猪木さん、そしてタイガー・ジェット・シンを見て育ちました。彼らは私の少年時代のヒーローです」と語り、「福島の震災の際、とても悲しい思いをしました。今回は日本の子どもたちの教育、健康、体力向上のための慈善団体に2万ドルを寄付したいと思っています」と明かした。
