ボクシング相次ぐリング禍で緊急措置、全てのアジア地域王座戦が12→10回戦に短縮 JBC要請にWBO-APが対応 選手も賛同「仕方ない」
今月2日に東京・後楽園ホールで行われたプロボクシング興行に出場した2選手が相次いで急性硬膜下血腫で死去したことを受け、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長(64)は11日、都内で取材に応じ、今後日本国内で行われるWBOアジア・パシフィックのタイトルマッチを12回戦から10回戦に短縮することを発表した。長いラウンドを戦うことによる危険性を少しでも軽減する狙いで、既に東洋太平洋王座戦も12回戦から10回戦への短縮が決定しており、国内で行われるアジア地域タイトル戦は全て10回戦で行われることになった。
JBCからの要請を承認したWBOアジア・パシフィックのレノン・パノンシロ会長(米国)は「世界タイトルマッチ以外は10ラウンドでやるのがふさわしいのではないか」と語った。また、長く選手やトレーナーの経験もある同会長は、水抜きによる減量や、試合に向けたスパーリングのダメージの大きさにも言及し、私見として「選手を一番近くで見て理解しているのはトレーナーなので、(今以上に)選手の安全に配慮すべきではないか」と強調した。
相次ぐ悲劇にボクシング界が悲しみに包まれる中、12日には後楽園ホールでプロボクシング興行が行われる。メインのWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級は10回戦に短縮されての初実施となるが、王者の川浦龍生(31)=三迫=は「リング禍が起きて(安全)対策として仕方ない」と賛同し、「自分としては12ラウンドが10ラウンドになっても不安はない。増えたら心配かもしれないが、減る分には大丈夫(笑)」と平然。
また、挑戦する同級10位の白石聖(28)=志成=も直前のラウンド数変更について「12回やる準備をしてきたので、減っても全然大丈夫」と言い切り、「(リング禍を受けて)今いろんな選手が色んな気持ちで臨んでいると思うが、僕は(リングに)命を懸ける覚悟はできている」と決意を込めた。




