挑戦者・神足茂利が意識朦朧で救急搬送 東洋太平洋Sフェザー級王座戦は激闘ドロー、王者・波田大和V2も「モヤモヤ」
「ボクシング・東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦」(2日、後楽園ホール)
王者の波田大和(28)=帝拳=は同級5位の神足茂利(28)=M・T=と対戦し、最後まで大接戦となったが、判定が1-1(115-113、113-115、114-114)で割れて引き分けとなり、2度目の防衛に成功した。王座奪取に失敗した神足は試合後、控え室で意識がもうろうとなり、救急搬送された。
序盤から競り合う激闘となった。サウスポーの波田が前に出て攻勢を仕掛ける一方、オーソドックスの神足は長いリーチを生かしながら距離をつくり、右ストレートやアッパーを当てる展開となった。偶然のバッティングによりお互い眉間を深くカットし出血。8回終了時の途中採点では、ジャッジ三者ともに神足を支持(78-74、77-75、77-75)したが、「前に出るしかない」とギアを上げた王者が猛攻に出て、最終盤に追い上げる形となった。
終盤までは優位に戦いながらも、まさかのドローで王座を奪えなかった神足は判定を聞いた瞬間、膝から崩れ落ちた。その後は立ち上がり、波田と健闘をたたえ合ったが、控え室に戻った後に意識が飛んだといい、医務室から救急車で病院に搬送された。
波田は王座防衛にこそ成功したものの浮かない表情で、「ちょっとモヤモヤ感がすごい。『何してるんだよ』って感じ。打とうとしたら、嫌なポジションに頭があって当てられなかった。ずっとイライラしていた。無我夢中で(展開が)わからなかった」と首をかしげた。判定発表直後にリング上で神足と言葉を交わしたが、「モヤモヤしているから、もう1回やろう」と再戦を呼びかけたという。




