井上尚弥とスパーで感覚バグった?“鉄の拳”中野幹士、2回TKO圧勝も反省「(パンチが)遅くて気持ち悪かった」「緊張感なかった」
「ボクシング・10回戦」(2日、後楽園ホール)
東洋太平洋フェザー級王者の中野幹士(30)=帝拳=が、128ポンド(約58・0キロ)契約ノンタイトル10回戦でプロ6勝(4KO)2敗のジン・アグアン(32)=フィリピン=と対戦し、2回1分50秒TKO勝利を飾った。自身9戦連続KOで、プロ戦績14勝(13KO)とした。
中野は5月のラスベガス興行以来となる実戦で“鉄の拳”をさく裂させた。直前に決まった一戦とあって序盤はやりづらそうにしたが、ガードの上から強打をたたき込み、その衝撃音に会場はどよめいた。2回にロープ際に詰めて上下に強打をたたき込んだところで、戦意を喪失した相手陣営が棄権を申し出たためTKO決着。圧勝したものの、今後世界を見据えるだけに「最初硬くなった。今日の相手は一発ももわらないで勝たなきゃいけない相手だが、ちょっと(パンチを)もらったりした。世界ランカーとか強い相手だったら、そのまま流れを持って行かれる可能性もある」と反省を口にした。
この1カ月は、9月14日に名古屋で防衛戦を控える4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(32)=大橋=の練習相手に指名され、一瞬も気を抜けない緊迫感のあるスパーリングを計20ラウンドほど行った。「(尚弥との)ヒリヒリした感じと比べちゃうと正直、緊張感がないところが(試合に)出ちゃったかな」と苦笑い。また、超速のモンスターを体感した直後とあって、今回の対戦相手とのスピード差がありすぎて感覚が狂うことを危惧していたが、「(相手のパンチが)来ると思って避けたら、動いたところに(遅れてパンチが)来る感じのスピード感だったので、気持ち悪かった(笑)」と明かした。
WBC6位など主要4団体全てで世界ランク入りしており、「世界王者を目指さないといけない立場」と近い将来の挑戦も見据える。ノーダメージでステップを踏み、「けがもないので(年末にも次戦を)やりたいです」と意欲。また、早ければ再来週にも井上のスパーリング相手も再開する見通しを明かした。




