ボクシングＷＢＯアジアパシフィック・バンタム級王者・西田凌佑（２６）＝六島＝が結婚していたことが２８日、分かった。お相手は近大ボクシング部の同級生で全日本女子３連覇し東京五輪候補だった河野沙捺さん（２６）。在学中から７年の交際を実らせ、交際記念日の３月１０日に婚姻届を提出した。

　デビュー６連勝（１ＫＯ）のホープは４月１日、エディオンアリーナ大阪第２競技場で結婚後初戦に臨む。同スーパーバンタム級１３位のソーンセーン・ポーイェーム（タイ）を相手に３度目の防衛戦に必勝出陣だ。

　バンタム級は前世界４団体統一王者の井上尚弥（大橋）が転級しベルトを返上。４団体が空位となっている。サウスポーのテクニシャン・西田の評価は高く、年内にも世界戦を狙える逸材だ。「世界王者のベルトを見たいと言われている」と愛妻と約束した世界奪取へ全力を尽くす。

　愛妻の河野さんはアマチュア時代の実績では、はるかに上。東京五輪はフライ級で銅メダルを獲得した並木月海と代表の座を争い、惜しくも敗れた。

　し烈な五輪代表争いを身近でサポートしたのが西田だった。「話を聞いたりするだけでしたけど、メンタル面で」と励まし続けた。

　東京五輪後に大阪で一緒に住み始め、昨年１０月、２度目の王座防衛を果たした後、西田がプロポーズ。「そろそろ結婚しようか」と伝えると、「（河野さんは）泣いて喜んでくれた」という。

　同じサウスポーでリードの右ジャブが巧みと夫婦で共通点は多い。「ボクシングのことを分かっていて、技術面、栄養面、減量のことも分かってくれている。彼女は普段は本当に明るくて、いつも支えてくれる」と今は愛妻の全面サポートを受ける。手料理は「鳥料理、鳥の南蛮漬け、豆腐ハンバーグが本当においしい」と、減量食を絶賛した。

　愛妻は試合には必ず駆け付け、リングサイドでいつも的確な助言を送ってくれる。「不思議と彼女の声がよく通るのでよく聞こえます」と、愛の力で次戦も必ず防衛。６月１０日（六島の日）に予定する挙式に花を添える。