ボクシング 前日本スーパーバンタム級王者古橋岳也 現役引退表明「感謝しかない」

 ボクシングの前日本スーパーバンタム級王者の古橋岳也(35)=川崎新田=が20日、川崎市内の同ジムで会見を開き、「辞めると決断しました。このまま現役を引退しようと思います」と現役引退を表明し、会見終盤には言葉を詰まらせ、涙した。

 昨年12月の日本スーパーバンタム王座決定戦で田村亮一(JB SPORTS)に勝利し、同級2度目の王座となったが、16年には22年に現役引退すると決めていたという。当時、日本スーパーバンタム級タイトルマッチで石本康隆(帝拳)に敗れた後、自身の進退を考察。「30歳の時に区切りをつけて、あと5年、頑張ろうと思った。どうしてもズルズルとやるのが嫌だった。終わりを決めたからこそ、エネルギーをそそぎこめた」と話した。

 世界王者を目指していたが、昨年6月の日本スーパーバンタム級王座統一戦では井上拓真に判定負けを喫した試合は大きな衝撃となった。「井上拓真選手に負けた時はもう世界は断たれたかなと思った」と落胆したという。新田渉世会長は「以前から激闘を繰り返し、フルラウンドが多い選手、体のことは心配していました」と労いの言葉をかけた。

 川崎市出身で、親交のある川崎フロンターレのふろん太君が会見に来場の予定もスケジュールが合わず。代わりに同チームのプロモーショングループの加藤祐美子さんが花束を贈呈した。「地元で育ってきて、周りにいかされてここまできた。感謝しかないボクシング人生でした」と感激の様子だった。

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