ボクシングライト級サバイバル 伊藤雅雪「背水の陣」バレンタイン「100%ぶつける」

 「ボクシング・ライト級10回戦」(3日、後楽園ホール)

 前日計量(上限61・2キロ)が2日、都内で行われ、元WBO世界スーパーフェザー級王者で日本ライト級3位の伊藤雅雪(30)=横浜光=と元日本スーパーライト級王者で日本ライト級7位の細川バレンタイン(40)=角海老宝石=はともに1回目に61・2キロでパスした。

 日本、OPBF東洋太平洋、WBOアジアパシフィックのライト級3冠王者・吉野修一郎(三迫)、6月26日に米国ラスベガスで元世界3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と対戦した中谷正義(帝拳)ら強豪がひしめき、盛り上がりを見せているライト級の人気選手同士の対戦。ともに再起戦となるサバイバルマッチは、入場券が2日で完売という注目を集めている。

 ライト級転向3戦目の伊藤は「今回が一番いい」と調整に手応え。前戦のOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の三代大訓(ワタナベ)とのノンタイトル戦で敗れた後は引退も考えたというが、「今までやって来たものが、あれで最後なら格好つかないというのが一番大きい。体も元気でダメージもないと思っているので、自分が納得いくような形にしたいと思って、もっと強くなりたいと思う気持ちが出た」と現役続行を決めた。

 この試合の位置づけについては「背水の陣。本当に落とせない試合」と断言。「面白い試合にはなると思うし、難しい試合にもなると思う。1ポイントでもいいので勝てるような試合をしたい。とにかく勝たなきゃ進めないので」と結果にこだわることを強調した。

 細川については「体が強くて身体能力が高くてタフなので、安定感みたいなものを感じる簡単には崩れてくれない印象が強い」と評価。自身は「自分がどういうボクシングをしたいか分かってきた。この試合をクリアして、それをもっと煮詰めたい」と成長を感じており、「誰とやっても自分のボクシングを貫けるようにすることをやってきた。今まで、よくないと思う試合は相手に合わせてしまうボクシングをして、相手ベースで考えていた。だから自分の好きなボクシングをして、相手に合わせてもらう」と戦いをイメージした。

 また、中谷が、敗れたものの世界的スターのロマチェンコと対戦したことについては「悔しいですし、うらやましさもあるという複雑な感情で見ていた」という。だが、「もしかしたら終わりじゃないかと思われていた状況から存在感出したなと思った。ボクも帰って来たなと思われるような試合をしたい」とロマチェンコに続く復活星に意欲を示した。

 一方の細川は吉野の3冠に挑戦して敗れて以来の再起戦。この一戦の位置づけを、「ライト級ウォーズというのがあって、敗者2人の試合。本来なら負けた者同士がやって得られるメリットはそんなにないと思う。それが盛り上がりを見せているということは、プロモーションがうまくいった結果なのかな。位置づけと言うより、プロボクサーとしての試合をやるんだなと感じている」と冷静に見つめつつ、「ボクの、注目的には最もビッグファイトになると思う」と話した。

 伊藤の印象については「速い。運動神経がいい。それに尽きる。昔は運動神経だけでやっていたけど、うまくなった」と評価。戦いのイメージについては「ここのレベルになると、どっちかが小細工をして勝てるようなところじゃない。100%のバレン(タイン)のいいところをぶつけるしかない。伊藤君も100%の伊藤君をぶつけてくるしかないと思う。ボクが選べる戦い方はそうない。そこは伊藤君に主導権がある。ボクは距離を詰めて殴るしかない」と説明した。

 40歳になったが、今後については「勝てなくなったら続けられないと本当に思っている。でも好きで始めたスポーツなのに、まだ進歩できると思っている中で、まわりに『辞めないといけない』とされるのが一番嫌。勝ち負けと続ける続けないは同じラインじゃない」と力説。「大きな山のふもとに立っていると想像してください。その山の先の山は見えてますかと質問をいただいているけども、見えてないです。もし、伊藤を乗り越えたら次が見えると思うので何か言えると思うけども、今の時点ではないです。今は目の前のこれを勝つこと」と強調した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス