“王道”で歴史的デスマッチ特別興行!石川が新王者“カリスマ”葛西を血まみれ撃破

 葛西純(下)を攻める石川修司=新木場1stRING
 ラリアートを打ち合う葛西純(手前)と石川修司=新木場1stRING
 ベルトを奪取した石川修司=新木場1stRING
3枚

 「プロレス・全日本」(18日、新木場1stRING)

 GAORA TVチャンピオンシップが行われ、挑戦者の“大巨人”石川修司が、王者の“デスマッチのカリスマ”葛西純を破って新王者となった。

 デスマッチ団体フリーダムズから参戦して王座を奪った葛西がデスマッチでの防衛戦を呼び掛け、元デスマッチ戦士だった石川が応じて実現した一戦。石川の「全日本プロレスはデスマッチ団体じゃない」との訴えにより、団体初のワンマッチ特別興行として行われた。

 ルールはガラスボード&有刺鉄線ボード&TLC+αデスマッチ。全日本でのデスマッチは、75年にジャイアント馬場がフリッツ・フォン・エリックを相手に行ったギブアップか10カウントでのKOのみで決着のテキサスデスマッチなどいくつかの例があるが、反則カウントがなく、レフェリーが特に危険と見なしたもの以外の凶器使用が認められる、今回のハードコアルールは異例だ。

 リングには四方のコーナーに巨大なガラスボード2枚、有刺鉄線ボードと多数のカミソリを差し込んだ十字架型のボードをそれぞれ1枚設置。さらに、無数の蛍光灯、パイプイスだけでなく、両者とも多数の凶器を持ち込んだ。

 試合は序盤、デスマッチでは一日の長がある葛西が、デスマッチは4年ぶりという石川の頭に竹串の束を突き刺すなど優位に試合を進めたが、石川も葛西を有刺鉄線ボードにぶち当ててから形勢逆転。砕けた有刺鉄線ボードを葛西の体に押しつけながらのSTF、書類とじ器で全日本の十枝取締役の写真を葛西の額に貼り付けるなどの猛攻を加えた。

 だが、葛西は場外戦に持ち込むと、テーブルの上に石川を寝かせて、コーナー最上段からのダイビングボディープレスのパールハーバースプラッシュを投下して、テーブルが真っ二つになるほどのダメージを与える。そして、リング内に戻ると、カミソリボードを2つにたたき折って一方を石川に手渡し、2人でチャンバラを展開。2人の体はカミソリで切り裂かれ、見る見るうちに全身が血で染まっていった。

 さらに葛西は、巨大なガラスボードを4つのパイプイスで4つの角を支持する形で設置し、その下に石川を寝かせ、またもコーナーからのボディープレス発射を狙ったが、起き上がった石川は脱出。葛西を場外に連れ出すと、なんとリングの同じ高さの花道からスプラッシュマウンテンでガラスボードに豪快にたたきつけて再び流れを引き寄せる。

 そこからランニングニーリフト、サンダーファイヤー、蛍光灯の束の上からヒザ蹴りを放って追い込んだが、葛西は3カウントを許さず、蛍光灯の束の上からのラリアットで反撃。そして、またもパイプイスの上にガラスボードを置き、高さ約3メートルのハシゴに登ると、石川も登って投げ捨てようとしたが、葛西は右ストレートを放って、またもガラスボードにたたき落とし、さらに追い打ちのパールハーバースプラッシュを発射した。

 しかし、石川は驚異的な粘りを見せてフォールを返すと、サンダーファイヤーで反撃。そこから激しい打撃戦となったが、最後は石川がスプラッシュマウンテン、蛍光灯の束の上からのカミゴェで追い込み、ジャイアントスラムでトドメを刺した。

 「全日本所属として最初で最後のデスマッチ」と位置づけた一戦で、全日本のデスマッチ団体化を予告していた葛西を撃退した石川。全身を血で真っ赤に染めながらマイクを持つと、「デスマッチファイターはやっぱりすごい。その中でもカリスマ、いや、神様、葛西純とデスマッチルールで戦えてうれしかったです」と称賛した。

 そして、葛西が石川からマイクを手渡されると、「オレッちはデスマッチのカリスマでも神様でもねえ。まだまだ発展途上だ。まだ伸びしろがあるんだよ。勝ったのはお前なんだから堂々としてろ。オレッちを持ち上げるな」とアピール。続けて、「おい、全日本プロレス、こんな超一流レスラーを今日負けたぐらいでほっとくわけねえよな。修司、デスマッチは最後かもしれないけど、お前となら普通のプロレスでも十分な刺激を与えてくれそうだ。また遊んでくれよな」と、継続参戦に興味を示して去っていった。

 再びマイクを持った石川は「葛西純が価値を上げたベルト、オレはオレのやり方でもっと価値のあるベルトにしていきます」と宣言。「葛西純といい、他のデスマッチ団体もすごい試合をしています」と敬意を表しながら、最後は「でも全日本プロレスは一番おもしろい団体にオレがしていきます」と決意表明した。

 バックステージでは、この一戦に批判的な声も上がっていたことを問われ、「声は聞こえてきましたけど、ボクも途中から入ってきた人間だから、“王道”とは、と言われたら分からない。ただ、一番おもしろいものを見せられる団体でいたいとずっと思っているので。そういう外野の声は無視して、それをとことん追求していきたい」と返答。初めて手にしたGAORA TVチャンピオンシップの防衛ロードについては、「フリーで全日本のリングに上がりたい、名を上げたい、そういうヤツがいたらどんどん来てほしい。おもしろいヤツがいたら無差別でもジュニアでも関係ない。他団体だったらその団体の許可を得ないといけないかもしれないけど、このベルトをかけて勝負したい。待っています」と、団体、階級を問わずに挑戦を受ける考えを示した。

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