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【長谷川穂積の拳心論】ブラント戦から「絶対に負けない」覚悟が見える村田

 「ボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(23日、横浜アリーナ)

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太(33)=帝拳=が、同級8位スティーブン・バトラー(カナダ)を5回2分45秒TKOで一蹴し、7月の王座復帰後の初防衛を完勝で果たした。試合後の会見に同席した米興行大手トップランク社のボブ・アラムCEOは、次戦の相手にIBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、WBAスーパー王者サウル・アルバレス(メキシコ)の名前を挙げ、「東京ドームでやらせたい」とビッグマッチ計画をぶち上げた。

  ◇  ◇

 軽量級と違い、ミドル級は丸太で殴られるようなパンチ力だ。一発ですべてが変わるから無駄なパンチはもらえない。バトラー選手はジャブを打ち分け、テクニックのあるタイプ。村田選手は苦戦してもおかしくなかったが、相手が効いている時に逃さなかったのはさすが。改めて素晴らしい王者だと感じた。

 打ち終わりに右を狙ってきていた相手に対して、あれだけプレッシャーをかけられる世界王者はなかなかいない。ガードを固めつつノーモーションで打つのは、実はとても難しい。パンチを打つ時は腕をダラリとリラックスさせた状態の方がうまく出せるが、王者は難しい攻防のスタイルを確立している。

 また、背水の陣だった7月のブラント戦から、絶対に負けないという強い気持ちも感じられる。入場時には笑顔を見せず、一戦一戦への覚悟が見える。これから防衛を重ねるごとに研究もされ、上に行けば行くほど上積みが必要になるが、彼なら対応していくと思う。

 僕の最年長記録の更新がかかっていた八重樫選手には、試合前に「いろんな荷物を背負ってきたけど、今回だけは荷物をおろして、自分のためだけに戦ってほしい」とメッセージを送っていた。自ら打ち合いに転じ、レフェリーに止められる瞬間まで戦う気持ちは切れなかった。間違いなく彼のボクシング人生の集大成だったし、試合の勝ち負けと関係なく、彼は自分自身に勝ったと思う。

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