【長谷川穂積の拳心論】打ち合いに応じ過ぎると選手寿命に関わる

 「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(16日、岐阜メモリアルセンター・で愛ドーム)

 運命の一戦を制した。世界最速タイ12戦目で3階級制覇を達成したWBO世界フライ級王者の田中恒成(23)=畑中=が、元世界ライトフライ級統一王者で同級4位の田口良一(32)=ワタナベ=を3-0の判定で下し、同級での初防衛に成功した。17年末に計画されながら白紙となった一戦がようやく実現。国内では平成最後となる世界戦で、田中は昨年9月の木村翔(30)=青木=に続き2試合連続で日本人から勝利を挙げた。

  ◇  ◇

 互いの気持ちがこもった日本人対決だった。僕の採点は119-109。総合力で田中選手が上回った。

 ボクシングを観戦する時は、どちらかをメインに見る。相手が外国人なら日本人がメインになるが、日本人同士のこの試合は「恒成が打った」「恒成がやられた」と田中選手を主に見た人が多かったのではないだろうか。これは彼の試合運びによるものだ。

 2人のパンチ数はそれほど変わらなくても、バリエーションには大きな差があった。例えばパンチの強さで言えば、田口選手は10段階の7で打ち続け、田中選手は1から10まで強弱を使い分ける。加えてパンチの種類、スピード、足を使って接近戦でも離れた距離でもと、それら一つ一つの要素を組み合わせれば、戦術の引き出しは最大限に広がる。僕が同じ階級だったら、ぜひ戦ってみたいと思うだろう。

 ただ、この試合は実際の3分の2くらいのダメージで終わることができたとも思う。激闘を期待する観客に応えたい気持ちはよくわかるが、打ち合いに応じ過ぎると選手寿命に関わる。僕自身が経験したのは、その時は大丈夫だと思っても後で確実にダメージが出てくるという現実だ。日本人同士の気持ちのぶつかり合いでは仕方がないが、今後意識してほしい点ではある。(元世界3階級制覇王者)

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