兄・尚弥も拓真を称賛 弟に勝てないところは「ない」と即答

暫定王座を獲得し、兄の尚弥(左)に祝福される井上拓真
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 「ボクシング・WBC世界バンタム級暫定王座決定戦」(30日、大田区総合体育館)

 トリプル世界戦のセミファイナルでWBC世界バンタム級暫定王座決定戦が行われ、同級5位の井上拓真(23)=大橋=が3-0(117-111)の判定で、同級2位のタサーナ・サラパット(25)=タイ=を破り、WBA世界同級王者の兄・尚弥(大橋)に続く兄弟王者となった。兄弟世界王者は国内では亀田兄弟(3兄弟=興毅、大毅、和毅)に続き2例目。

 弟・拓真の王座奪取に3階級制世界王者でWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)も称賛。井上家でバンタム級の世界ベルト独占の夢に一歩近づいた。

 ただ尚弥は「まだ暫定なので来年、正規(王者)を取ったら喜べる」と弟に要求。自身が参戦中のバンタム級最強を決める世界トーナメントのWBSSはあと2勝で優勝となり、残りを集める。

 弟がリングに上がる前には「人生懸けていけよ」とハッパ。家族の悲願に「素直にうれしい。勝つことが大事」と喜んだ。

 常に自身を追ってきた弟。「兄弟だから比べられる。スタイルが全く違う。あのスタイルから倒すきっかけをつくっていけばいい。後半のボクシングが拓真の長所。あの中で倒すところをつかんでいけばいい」。KOを量産する自身と違い、拓真のスタイルで成長していくことを求めた。

 初の世界戦の緊張感は自身も思い出す。「スタミナもいつも以上に使った。自分も6Rでへばった。独特の雰囲気があった」と懐かしんだ。

 弟に勝てないところを問われ「ない」と即答。「ないように自分は練習している。合宿とかの(走り込みの)タイムでも負けないようにしている」と、これからも兄弟で高め合っていくつもりだ。

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