ノア・さらば“東洋の神秘”カブキが完全引退「もう思い残すことはない」

 「プロレス・ノア」(22日、東京・後楽園ホール)

 年内で完全引退を表明していた“東洋の神秘”ザ・グレート・カブキ(69、本名・米良明久)が現役最後の試合を終え、54年のレスラー生活に終止符を打った。

 最後の雄姿を見ようと“聖地”に駆けつけた観衆は超満員の1615人。カブキは越中詩郎、斎藤彰俊と平成維震軍トリオを結成し、潮崎豪、井上雅央、かつて指導した小川良成を迎え撃った。試合前には、四方に向かってヌンチャクさばきをたっぷり披露。さらに毒霧も噴射した。

 大“カブキコール”が送られる中、得意のアッパーカットを披露すると観客は大喜び。最後は孤立して3人に捕らえられたものの、コーナーに登った井上を毒霧を噴射して、斎藤がスイクルデスで井上を仕留めて有終の美を飾った。

 試合後のセレモニーでグレート小鹿、藤波辰爾、川田利明、長女の映理さんから花束を贈られたカブキは、「54年間応援して下さって、本当にありがとうございました」とあいさつ。10カウントゴングの後に、再びヌンチャクさばきと毒霧噴射を披露し、ヌンチャクをリングに置いて去って行った。

 カブキは98年に引退しており、この試合は引退試合ではなく、メモリアルマッチと銘打たれた。全日本、SWS、IWAなどを渡り歩いたが、所属歴のないノアが最後の舞台。ノアも全日本の流れをくんでいるものの、「縁があるようでなかったノアを最後の舞台にしたい」と、ノアの内田雅之会長が申し出たことで実現。さらに、CS放送「G+」でノアを放送している日本テレビが、以前は全日本を放送しており、多くのカブキの映像を持っていることなども理由となった。

 「なんだろうねえ、またやりたいってのと、54年間の思い出とか、そんなのがスーッと通っていく様な感じ」としみじみ振り返った。最後に毒霧を噴射し、ヌンチャクをリングに置いた理由は「これで毒霧を吹かなくていいかなと。ヌンチャクとか毒霧はこの仕事でやり始めたんで、そこに置いてきた方がいいと思った」と説明した。

 カブキは64年に日本プロレスに入団し、高千穂明久のリングネームでデビュー。中堅どころでの活躍だったが、米国遠征中の81年に顔にペイントを施したカブキに転身するとスーパースターとなり、83年に凱旋帰国するとブームを巻き起こした。その54年のプロレス人生を「自分の人生。人生そのもの。もう思い残すことはない」と表現。そして、カブキという存在に「生き方を変えてくれましたね。コツコツとやってて良かった。やっと花が咲いたかなって感じだったですよね」と感謝した。

 最後は「終わりましたー」と笑顔で万歳。その表情にはカブキと別れるさびしさよりも、カブキをやりきった充実感にあふれていた。

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