田中恒成V2 初回まさかのダウン「ちょっと残念な全国デビュー」

9回、パランポン・CPフレッシュマート(左)にダメ押しのパンチをたたき込む田中恒成=エディオンアリーナ大阪(撮影・山口登)
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 「ボクシング・WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ」(13日、エディオンアリーナ大阪)

 ダブル世界戦のセミファイナルでWBO世界ライトフライ級タイトルマッチが行われ、王者・田中恒成(22)=畑中=が9回1分27秒TKOで、同級13位のパランポン・CPフレッシュマート(32)=タイ=を下し、2度目の防衛に成功した。この勝利で、かねてから熱望しているWBA世界同級王者の田口良一(30)=ワタナベ=との王座統一戦に大きく前進した。

 幕開けは波乱だった。初回終了間際に右ストレート浴びた田中が後方にダウン。国際式ではこれといった実績のない13位の挑戦者の一撃に会場が静まりかえった。

 2015年大みそかのビック・サルダール(フィリピン)戦以来、人生2度目のダウンを喫した田中はなかなかペースをつかめない。4回には相手のパンチで右まぶたを切り裂かれた。5回に入り、ようやく田中が反撃。左ボディーで挑戦者の動きを止める。8回終盤には連打からの左フックでパランポンをよろめかせた。そして9回、右ストレートで痛烈なダウンを奪うと、再開後は壮絶な打撃戦に打ち勝ち、レフェリーのストップを呼び込んだ。

 田中は15年5月に日本最短となるデビュー5戦目でWBO世界ミニマム級王座を獲得。1度防衛後に返上し、昨年大みそかにモイセス・フエンテス(メキシコ)との決定戦を5回TKOで制し、8戦目で2階級制覇を達成した。今年5月に16戦16勝(16KO)の強豪、アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)からダウンを奪っての判定勝ちで初防衛に成功。2度目の防衛戦となる今回、初めて中部地区ローカルの枠を外れて、試合が全国に中継された。「俺って全然持ってない男だと思いました。こういう大事な試合でこういう勝ち方。ちょっと自分にがっかりです。ちょっと残念な全国デビューになりました」とダウンを喫した試合を振り返った。

 田口との統一戦に向けては「こういう試合では…」と一度とぼけたものの「やります」と力強く言い切った。

 田中の通算戦績は10戦10勝(6KO)。パランポンは32戦24勝(10KO)8敗。

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