王座奪取久保、激闘で折られた前歯“速攻”仮歯装着「実感わかない」

 ボクシングWBA世界スーパーバンタム級新王者の久保隼(27)=真正=が王座奪取から一夜明けた10日、神戸市内で会見した。

 セルメニョとの激闘で前歯を折られた久保は「朝イチで歯医者に行ってきた」と仮歯を装着してはにかんだ。初挑戦での戴冠にも「まだ実感がわかない。打ち終わりを狙われたし、課題もたくさんあった」と反省が口をついた。

 「あんまり眠れなかった」という前夜は祝福メールが殺到し、試合後の携帯電話には149件の着信があったという。朝5時半にようやく眠りに就いた。

 今後は世間の注目も集まるが、目立つことを極端に嫌がる新王者は「本音を言えばボクシングをしたいだけ。それ以外は望んでいない」。それでも「僕みたいなのを必要としてくれるなら」と世界戦中継局の情報番組に生出演するなど王者の自覚も芽生えつつある。

 今夏にも予定される初防衛戦は指名試合が濃厚。久保はIBF王者・小国以載(角海老宝石)との対戦を熱望し、山下会長も「否定はしない」と理解を示したが実現性は不透明だ。防衛を重ねればWBAスーパー王者として君臨するリゴンドー(キューバ)戦にも期待が高まる。「やれと言われればやる」と久保は堂々と言い切った。オフはメキシコ旅行を計画。英気を養い、拳に磨きをかけていく。

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