名城、3度目世界王者へスパー100R
「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(9月1日、住吉SC)
WBA世界スーパーフライ級元王者の名城信男(30)=六島=が27日、大阪市内の所属ジムで最終調整の練習を公開した。王者テーパリット・ゴーキャトジム(23)=タイ=の陣営も視察する中で、2ラウンドのスパーリングを行うなど順調な仕上がりをアピール。日本選手史上5人目となる、3度目の世界王座奪取へ「今まで長い間ボクシングをやってきて、すべてを出し切るだけ」と決意を新たにした。
2度目の世界王座返り咲きへ、名城の自信は深まるばかりだ。「絶好調。減量も順調です」。23日に打ち上げたスパーリングでは、元世界王者のデンカオセーン(タイ)らを相手に100ラウンドを消化。枝川会長も「今までの世界戦に比べて内容がいい。フィジカルトレーニングを控えて、ボクシングの練習に集中したことで、プレッシャーへのスタミナがついた」と認める。
これまでに世界王座を3度獲得した日本選手は、複数階級制覇を含めれば柴田国明、輪島功一、辰吉丈一郎、亀田興毅の4人がいる。しかし、名城が目指す同一階級での3度は、輪島と辰吉の2人しかいない。
ネットで複数のボクシング専門サイトが行うアンケートでは、今回は名城が圧倒的に不利と見なされている。辰吉も97年のシリモンコン戦では、王者有利の下馬評を覆して3度目の王座奪取に成功。名城は「自分もそんなふうに、前評判を覆してタイトルを奪取できれば」と闘志を燃やす。
試合当日には、同級4位の亀田大毅(亀田)が会場へ観戦に訪れる予定だ。昨年12月、テーパリットに敗れた亀田陣営は、名城の王座返り咲きを期待。名城が勝てば、年末に予定される初防衛戦で、大毅との対戦実現へと動きだす。枝川会長は「それは知らん。でも、夢をつながないと」と、負ければ引退を公言した名城に必勝を厳命した。
