【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】「肌が触れあうことがもう無理」夫の誘いに応えられず
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 恥ずかしながらご相談です。わたしは女性で、男性の意見が欲しく。結婚してかれこれ20年以上がたちます。夫婦の関係はもうありません。それはいいのですが、先日の結婚記念日、珍しく夫が花を買ってきたり料理をしたり。気味悪いなと思いつつ喜んでいたらその夜、久しぶりに求められました。わたしは怖くて反応できず夫は撤収しました。また来たらどうしたらいいのでしょう。わたしはしたくありません。夫が嫌いなのではなく、ねっとりと肌が触れあうことが生理的にもう無理なのです。あれ以来、気まずくて地獄です。
【回答】 ご相談ありがとうございます。そして、非常に正直で、勇気ある告白をしてくださったことに、まず敬意を表したいと思います。こういった話題は、人に言いづらく、心の中で長年抱えたままになっていることも多い。だからこそ、こうして言葉にされたこと自体が、ご自身と向き合おうとしている証拠だと私は思います。
20年以上続いているご夫婦関係の中で、今は身体的な関係を持ちたくないという気持ちがある。それは「夫を嫌いだから」ではなく、「肌が触れ合うこと自体がもう無理だ」と感じているとのこと。この感覚は非常に個人的で繊細なものであり、誰かに理解されにくいものかもしれませんが、まずお伝えしたいのは、その感情に正しさ・間違いはないということです。
関係性の変化は年月の中で自然に起きるものです。たとえ夫婦であっても、相手との距離感や接し方は、お互いの身体や心の変化に応じて変わっていくものです。問題は、その変化に対して「どれだけ対話ができるか」「どれだけ相手に伝えられるか」にかかっています。
今回のように、突然のアクション(花や料理など)に戸惑いながらも、一度はそれを受け止めようとされたあなたの優しさも伝わってきました。ただ、そこで求められた身体的接触に恐怖や拒絶感が出たというのは、ご自身の身体が明確に「それは違う」と信号を出したということです。これは感情ではなく、身体の正直な反応であり、それを無理に抑え込む必要はありません。
では、どうすべきか。答えは一つではありませんが、最も重要なのは、事前に「今の自分の状態」を相手に伝えることだと思います。相手にとって拒絶されることがダメージになるのではないかと心配されているかもしれませんが、「嫌いではない」「でも、今の私には触れられることが苦しい」という気持ちは、言葉にしなければ決して伝わらないのです。
夫婦関係というのは、言葉を使わない時間が長くなると、誤解がどんどん蓄積されていきます。「何も言わない」ということが、相手にとっては「可能性がある」と受け取られることもある。だからこそ、はっきりと「これだけは無理なんだ」と線引きをする必要があります。それが冷たく聞こえるようであっても、本当の意味で相手を傷つけない方法は、「無理をして受け入れること」ではなく、「境界を明確にすること」です。
そしてその上で、「私はあなたと家族としてこれからも関わっていきたい」というスタンスを示すことができれば、夫婦としての別の形を模索できる可能性は十分にあります。自分を守ることと、相手に誠実であることは、決して矛盾しません。大切なのは、“反応できなかった自分”を責めるのではなく、“正直だった自分”を信じてあげることです。
ご相談者様がこれ以上苦しみを抱え込まず、自分らしいあり方を守っていけるよう願っています。応援しています。
◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万2000人。





