【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】アイドルになると宣言する小3の娘に親ができることは
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 小学3年生の娘がアイドルにはまっています。TikTokとかYou Tubeを頻繁に見ています。わたし(父親、40代)に分かるのはAKBや坂道グループくらいであとは聞いても覚えられません。「大人になったらアイドルになる」と無邪気に言っていまして親としては今は応援しようと思っています。先は分かりませんが。西村さんはAKBのコンサートやアイドルフェスをサポートされてますよね。アイドルに向いているのはどういう気質の子でしょう?あと、親としてどういうことをしたらいいでしょう。ダンススクールに通わせるとかでしょうか。10年後のアイドル業界とはどのように変化しているでしょう。分からないことばかりですみません。
【回答】 ご相談ありがとうございます。小学3年生のお嬢さんがアイドルに夢中になっていて、将来「アイドルになりたい」と話しているとのこと。お父様として、戸惑いながらも温かく見守っていらっしゃる様子が伝わってきました。子どもが将来に夢を持てるというのは、今の時代において非常に健全なことだと私は思います。
実際に私は、にしたんクリニックのプロモーションの一環として、AKB48のライブ支援やアイドルフェスへの協賛なども行ってきました。現場にも足を運ぶ機会があり、アイドルの世界がどれほど努力と情熱に支えられているか、間近で感じてきました。
「アイドルに向いているのはどういう気質の子か?」というご質問に対して、私が現場で見ていて感じるのは、表面的な可愛さよりも、“人を惹きつける強い意志と継続力”を持っている子が長く活躍しているということです。毎日のダンス練習、歌のレッスン、早朝の撮影、深夜のライブ、そしてSNSやファン対応……それを何年も続けるためには、内面のタフさが不可欠です。
一方で、夢を追うというのは、現実と向き合うことでもあります。だからこそ、親としての役割は「止めること」ではなく、「その挑戦がより良い経験になるよう環境を整えること」だと私は考えています。
具体的には、まず本人の「好き」を育ててあげることが大切です。たとえばダンススクールに通わせる、歌のレッスンを試してみる。すぐに芸能事務所に入れる必要はありません。“好き”を続ける中で、自分の得意不得意に気づき、やりたい方向性が定まってくる。そのプロセスこそが、本当の意味で将来につながる経験になります。
また、アイドルという仕事は「見られる職業」ですので、マナー、礼儀、言葉遣いといった基本的な人間力も非常に大切になります。これらは家庭での会話や日常生活の中で、自然と育てていける部分です。
そして、10年後のアイドル業界がどうなっているかという点について。結論から言えば、「大きく変わる部分」と「変わらない本質」の両方があると思います。
デジタル技術の進化によって、活動の舞台はリアルからバーチャル、国内から世界へとさらに広がっていくでしょう。一方で、“応援したくなる存在”としての魅力や、“努力の積み重ね”が報われる構造は、むしろ今後ますます求められるようになるはずです。
つまり、これからは「人柄」や「継続力」こそが、ファンを惹きつけ、選ばれるアイドルになる条件です。そして親ができるのは、その子が自信を持って自分らしさを表現できるよう、日々の中で土台を整えてあげること。それが何よりのサポートだと私は思います。
お嬢さんの夢が、夢で終わらないように。たとえ将来進む道が変わったとしても、「やりたいと言ったときに応援してもらえた」という原体験は、きっと彼女の人生の支えになるでしょう。
◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数6万7000人。