【人生相談 お悩みクリニック】医療保険に入った方がいい?娘からの相談にどう答えるべきか

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】娘が大学を卒業してこの春から働き始めます。その娘から医療保険に入ったほうがいいかどうかと相談がきました。私は50代後半でずいぶん前から加入しています。ただ、日本は国民皆保険であり、高額療養費制度もあるので入らなくてもいいという意見もありますよね。西村さんがもしお子さんから同様の相談を受けたらなんとアドバイスしますか。

 【回答】なるほど、娘さんからの相談。親として頼られるのは嬉しい瞬間ですよね。私にも子どもがいますから、こういう相談がきたら本当に真剣に考えます。

 結論から言えば、私は「若いうちこそ医療保険には入っておくべき」とアドバイスすると思います。理由はシンプルで、保険というのは“元を取るためのもの”ではなく、“万が一に備えるもの”だからです。

 たしかに、日本には国民皆保険があって、高額療養費制度もある。それは本当に素晴らしい仕組みです。ただ、それでも民間の医療保険の価値がゼロになるわけではありません。例えば、入院した場合、医療費そのものは高額療養費でカバーできても、差額ベッド代や入院中の生活費、仕事を休むことで発生する収入減、こういったものは誰も助けてくれません。

 特に若い世代は、まだ貯蓄も少ないでしょう。そんな時に「ちょっとした病気やケガで思わぬ出費が重なった」となったら、精神的にも経済的にも大きなダメージになります。だからこそ、健康なうちに、保険料が安いうちに備えておくのが賢い選択なんです。

 私自身も、若いころは「保険なんて無駄だ」「貯金した方がいい」と思っていた時期がありました。でも、経営者になって、たくさんの人や家族を背負う立場になってから、保険の「安心」という価値を実感するようになりました。何かあったとき、守れるものがあるというのは大きいですよ。

 娘さんはこれから社会に出て、どんどん環境が変わっていくでしょう。責任も、期待も背負う場面が増えるはずです。だからこそ、「自分の身を守る準備をするのも、社会人としての大事な一歩だよ」と私は伝えますね。

 ただし、保険はなんでもかんでも入ればいいわけではないので、内容をよく吟味することもアドバイスします。特約がゴテゴテついた高額なものは必要ありません。若いうちは「入院」「手術」「通院」このあたりのシンプルな保障だけで十分。掛け捨てでいいんです。必要な時がきたらまた見直せばいい。私もそんなふうに伝えると思います。

 最後に、こうやって相談してくれる娘さんは、きっと立派な社会人になりますよ。親としてはちょっと寂しい瞬間かもしれませんが、「自分のことは自分で考える」その姿勢こそが、なにより頼もしいじゃないですか。

 親子のいい時間になりそうですね。素敵な相談だと思います。

 西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数5万4000人。

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