【人生相談 お悩みクリニック】「タメ口」に対して強い抵抗を感じる
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】西村さんはタメ口をどう思いますか?私は腹立たしく思うほうです。買い物に行った際、店員さんが初対面なのにタメ口で対応すると「タメ口の人にお金を出さない」と告げて中断します。先日は社内の面識ない若い人から電話があってけっこうなタメ口だったので「口のきき方を勉強してからかけ直してください」と切りました。仕事の会話で「うん」と返事するやつも嫌いです。こだわりすぎでしょうか。
【回答】タメ口に対して強い抵抗を感じるとのことですね。確かに、初対面の相手やビジネスの場面で不用意にフランクな口調を使われると、不快に感じることもあるでしょう。特に、礼儀を重んじる環境で育った人や、ビジネスにおいて丁寧な対応を重視する人にとっては、軽い口調が無礼に映るのは理解できます。
私自身も、仕事においては言葉遣いを非常に大切にしています。ビジネスの基本は相手への敬意ですし、言葉遣いひとつで相手の印象や関係性が大きく変わるからです。特に営業や交渉の場では、言葉の選び方が相手の信頼感を左右するため、慎重に言葉を選ぶべきだと考えています。
一方で、近年の日本ではフランクな接客や職場のカジュアルなコミュニケーションが増えているのも事実です。特に若い世代の中には、フレンドリーな接し方が親しみやすさを生むと考えている人も多いようです。そのため、店員や若手社員がタメ口を使うのは、必ずしも悪意があるわけではなく、むしろ「距離を縮めたい」「親しみやすく接したい」といった意図がある場合もあります。
とはいえ、ビジネスや接客の場面では最低限の礼儀が求められるべきだと思います。私も、初対面の相手から不用意なタメ口で話しかけられたら違和感を覚えますし、敬語を使うことが相手への配慮である以上、適切な言葉遣いは守られるべきだと考えています。言葉遣いの良し悪しは、その人の印象を決定づける要素の一つであり、特に仕事においては敬語を適切に使うことで、信頼関係が築きやすくなるのは間違いありません。
ただ、こだわりすぎることでストレスを感じるのも損だと思います。たとえば、店員のタメ口が不快ならその場で指摘するのも一つの方法ですが、場合によっては「そういう店なのだ」と割り切り、深く気にせずに対応するのも一つの選択肢です。社内でのやりとりについても、若手が知らずにカジュアルな言葉を使ってしまった場合、感情的にならず、指導の機会と捉えて冷静に伝えることで、相手も学びやすくなるかもしれません。
結局のところ、タメ口への許容範囲は人それぞれです。しかし、こだわりすぎると不要なストレスを抱えてしまうこともあるため、「どこまで受け流せるか」「どの場面では許容し、どの場面では指摘するか」を自分なりに決めておくと、余計な摩擦を避けながら心地よい人間関係を築けるのではないでしょうか。また、相手の意図を考えた上で、適切に対応する柔軟さを持つことも、ビジネスや日常生活を円滑に進めるうえで重要なスキルとなります。
◇西村誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数5万4000人。




