【スポーツ】花園3連覇 桐蔭学園ラグビー部強さの秘けつとは 選手同士の本音が飛び交う「伝統のミーティング」
第105回全国高校ラグビー大会で桐蔭学園(神奈川第1)が史上6校目となる3連覇を果たした。6度目の優勝で、主力選手が毎年入れ替わる中でも結果を残し続けている。常勝軍団で受け継がれている強さの秘訣(ひけつ)とは。
優勝直後の取材で桐蔭学園の強さが垣間見えた。後半36分に4点差をひっくり返す逆転トライを決めて、24-21で勝利した準決勝の大阪桐蔭戦。崖っぷちの状況でもフィフティーンは落ち着いていた。
プロップ喜瑛人(よし・あきと、3年)がビハインド時の心境を明かした。「想定通り。決めたことをやるだけだった」。接戦をイメージするどころか、試合終盤にリードを奪われているシチュエーションまで試合前から頭の中にあったという。後半28分から8分間、20フェーズ以上に及ぶ攻撃で演じた逆転劇。ボールを失えば敗戦の場面でも、フィフティーンの動きは乱れなかった。
最悪を想定して準備を進めるのが桐蔭学園流のミーティング術。ここに強さを維持する秘訣が隠されていた。就任24年目の藤原秀之監督(58)は「1分、1秒ワンチャンスあるかないかだぞと。かなり今回はリアリティーにやった。(ベンチの部員も)自分で出ている立場になって物事を考えるように準備している」と話す。
ミーティングは選手主導。指揮官は「僕が話すことはほとんどない。ふざけているのかなと思うこともあるけど、その中でも結構真剣な話をしている」と会議時の雰囲気を明かした。話し合いはあくまで仮想であり、正解はない。重要なのは本音を言い合える関係であることだという。ミーティングで導き出した“答え”をグラウンドで表現するのは選手。実際にプレーに落とし込むべく、胸の内を隠さない熱い議論を交わし合えるチームビルディングを徹底する。
連覇を達成した前チーム、今回のチームも指揮官にとっては手応えがない世代だったという。それでも、質の高いミーティングを受け継いだことで史上6校目となる花園3連覇を達成した。「プロジェクトが立ち上がって終わったら解体。それの繰り返しをやっている。どこの会社もそうですよね」。勝ち続ける中で常勝軍団であり続けるサイクルの基盤が構築されていった。
次に目指すのは5連覇した同志社中、4連覇した啓光学園に続く史上3校目の4連覇。伝統のミーティングを武器に、高校ラグビー界の王者に君臨し続ける。(デイリースポーツ・北村孝紀)




