【野球】CSでフル回転した阪神救援陣の真実 イニングまたぎ!3連投!及川&石井は準備ができていた
阪神はDeNAとのCSファイナルSで、中継ぎのイニングまたぎからの連投、さらには3連投も解禁した。シーズン同様の活躍で、3連勝での突破に貢献した及川雅貴投手(24)、石井大智投手(28)。経験を生かして、日本シリーズでもフル回転する覚悟だ。
明らかにレギュラーシーズンとは違う戦いだった。15日の初戦。及川は0-0の六回から登板し、イニングをまたいで1回2/3を投げた。さらには後を受けた石井も1回1/3。2人で3回を無失点。虎の誇る左右の最強コンビが、力を発揮した。
レギュラーシーズンでは、七回以降を投げるケースが多かった及川だが、早い段階でマウンドへ。「(先発の)球数も多かったので呼ばれるかなと。試合内容も見て、自分の立ち位置も理解してるので」と準備はできていたという。
イニングまたぎも、シーズンで何度か経験していたことが生きた。「リリーフカーに乗っていくのと、ベンチから行くのでは全然違う。自分は(次の回は)別人になったつもりで入ります。同じような感覚で上がったら、あれ?っていう経験があったので」。頭の整理、直前の投球練習と細部まで気を配る。
石井に関しても考えは一緒だ。「(先発が)どんな感じで抑えているのかを見てます。遅れたくはないので、早くやる分にはいいかなと」。試合状況を把握しながら、早めに準備を進める。
初戦からタフな登板だった。第2戦以降どうなるのか。この時点では先の起用が想像できなかった。そんな心配をよそに、両投手は完全にポストシーズンモードだった。
16日の第2戦は石井が同点の九回に登板。「打順の巡り的に(2-3だった)七回もあると思ってました」と、ビハインドでも投げる準備を進めたほど前のめりだった。延長十回を投げた及川も「そういう気持ちでした」と前日のことは関係なく、連投を待っていた。
17日の第3戦でも両投手はベンチ入り。4点リードの八回には2死満塁で石井が登板。シーズンで1度しかなかった3連投だった。大ピンチを切り抜け「僕も人間なんで、絶対にゼロに抑えられるわけではないけど、まあ褒めてほしいなと」。ホッと一息ついた。CS3試合で、2人で計5回1/3を投げて無失点。レギュラーシーズンで防御率0点台を誇った男たちは安定感抜群だった。
25日からの日本シリーズでも、イニングまたぎ、連投はあり得る。及川は「気持ちの準備とケアを大事にしたい」と話し、石井は「回またぎはそんなに経験はないので、気をつけたい」と表情を引き締めた。頼れる左右のリリーフエースは、頂上決戦も最高の準備で臨む。(デイリースポーツ阪神担当・滋野航太)





