【野球】阪神 チーム防御率1点台の理由 投手の力、捕手の仕事、野手の守備 3コーチ語る三位一体

 完封勝利を挙げたデュプランティエと抱き合う坂本=5日
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 今季最長の8連勝中と快進撃を続ける藤川阪神の現状に目を向けると、先発、リリーフともに充実した投手力が光る。チーム防御率は1・93で、12球団断トツ。長丁場のペナントレースの折り返しを過ぎた時点で、チーム防御率1点台という驚異的な数字を記録する要因とは-。コーチ3人による部門別からの視点を中心に探る。

 2日の巨人戦。大竹から岩崎へのリレーで1点を守り切った。試合前2・02だったチーム防御率は、1・98となって1点台に突入。8連勝中の総失点はわずかに5で、6日・DeNA戦を終えて1・93まで下がった。

 その要因としてまず挙げられるのが、投手の豊富な顔ぶれだ。金村投手コーチの「うちの投手陣は本当にレベルが高いよ」というコメントに象徴されるように、先発ローテは安定し、リリーフも層が厚い。

 「先発がゲームを作ってくれるから、今年はロースコアで競ったゲームが多い。(中継ぎも)いいピッチャーが投げることが多くなるよね」。先発陣は伊藤将の復活もあって、左と右のバランスもバッチリ。「デュプランティエ、伊原も頑張ってるし」と新戦力の台頭に頼もしさを覚えて、「中継ぎは経験のあるピッチャーがいるから」とブルペンにも絶対的な信頼を寄せる。

 一方で野村バッテリーコーチは、投手を支える“捕手の技”を「ただサイン出して、構えるだけが仕事じゃないから」と評価する。「ジェスチャーとかをもう一回徹底して。しぐさとジェスチャーって結構大事だから。ピッチャーもそこに投げないといけないと意識も高まるし」。バッテリーにとって必要不可欠な配球への意思疎通。投手が自信を持って腕を振るために、捕手が果たす役割は大きい。

 チーム防御率の良化は、バッテリーだけの“手柄”ではない。1点を防ごうとするバックの守りも大きく貢献している。豊田がホーム好返球で失点を阻止した3日・巨人戦(甲子園)の試合後、藤川監督は「かみ合ってるときは、素晴らしい方向にポジショニングも含めて行きますし。丁寧にやっていれば、いいふうに向いてくるときもある」とコメントを残した。

 指揮官の発言を、筒井外野守備コーチは「そう言ってもらえるように頑張ってます。ほんとそれしかなくて」と受け止める。「たくさんの失敗を重ねて、こういうことがあるとか考えながらシフトを取ってるから。自分も責任持って、やらしてもらってるし、選手との信頼関係も大事」。入念な準備と積み重ねた知識に基づく守備配置は、チームにとって欠かせない戦力となっている。

 週アタマの火曜を任されている才木は、「チーム防御率自体がすごいいいと思うので、やっぱり守り勝ってる野球という印象。野手が1、2点取ってくれたのを、しっかり守り切れるように」と白星への道筋を描く。坂本も「最後に1点勝ってたらいい。失点を少なくできたら、その確率は上がるだろうし、その野球の仕方がタイガースの強み」と信念を示す。

 ロースコアでも勝ちきれるからこそ、首位を独走する猛虎。投手の力、捕手の仕事、野手の守備が三位一体となって、卓越したチーム防御率を保っていく。(デイリースポーツ・阪神取材班)

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