【野球】堅守の阪神 大変身の理由は?今季リーグ最少タイ11失策 昨年リーグワースト2位85失策から年間ほぼ半減ペース

 今季無失策と鉄壁の内野陣を象徴する中野
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 阪神の守備は今季ここまで11失策でリーグ最少タイを誇る。11日・中日戦(甲子園)まで、2年ぶりとなる12試合連続無失策中。内野担当の田中秀太コーチ(48)、外野担当の筒井壮コーチ(50)の両守備コーチの証言を中心に、“堅守の虎”へと変貌を遂げた理由を探った。

 昨季リーグワースト2位の85失策だった猛虎の守りが進化している。35試合11失策は、年間換算で約45失策と半分近いペースに減少。田中コーチは「ずっとこういくかと言えば、そうではないでしょう」と油断は見せないが、4月27日の巨人戦(甲子園)から12試合連続無失策と守備力が光る。

 11失策の内訳は、内野手10、投手1。外野は開幕からノーエラーだ。筒井コーチは「やっていいこと、悪いことがうまく分かるようになってきたかなと思います。かと言って、無難にやってほしくはない」と主張。「エラーと好プレーって、表裏一体のところがあるじゃない。だから姿勢は攻めるけど、後は状況判断」と続ける。

 筒井コーチの指導方針の一つが「プレーの共有」だ。「個人じゃなく、全員でどうするかという改善策」を模索するためで、「僕はこういうプレーがあったけど、ということを、当事者だけじゃなくて、あえてみんなの前で話す」という。ミスの指摘だけではなく、好プレーの称賛も同様で、「褒められること、チームを救うことによって、当たり前の基準がどんどん上がる」と狙いを明かす。

 鉄壁の外野陣でキーマンに挙げるのが近本だ。「センターがリーダー」という考えでの指名だが、「あそこを基準に細かいポジショニングとか、ベンチとのコミュニケーションとか、そこの隙がないように」と求める。「彼(近本)とは(付き合いが)長いんで。大体言わんとしてることは分かると思う。センター中心にうまくリードしてくれている」と信頼は厚い。

 内野に目を移すと、田中コーチの“ポリシー”が徹底している。「試合前に話すのは、だいたいシフトの話。個人個人にも話すようにしています。去年に比べたら大きめに動いてるので。監督も含めて、こちらも考えながらやっています」。技術向上のアドバイスよりも、ポジショニングのアドバイスを優先させている。

 打球方向のデータを基にポジションに就くことは、それだけで守備強化になる。「今年の傾向も出てきて。こっちにこういう打球が来るだろうな、と思っているだけで準備は違う。小幡にしかり、テルにしかり」。心構えを変えることで、守りの確実性を高めている。

 今季無失策の中野は、「(シフトを)伝えられているのは、はっきり守れるのでありがたい。割り切れるので」と方針に賛同。「引っ張り(警戒)で寄ってるから二遊間の打球はしょうがないくらいの割り切りの中だと一、二塁間の打球に対してスタートが切りやすくなる。両方追わなくていいと思えると、だいぶ楽」と証言する。“田中の考え”と“筒井の考え”は、確実に堅守の礎となっている。(デイリースポーツ阪神担当・丸尾 匠)

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