鉄壁の阪神守備陣 美守連発の完封星 今季リーグ最少19失策 藤川監督「攻める意味でアウトが取れている」

 「阪神1-0DeNA」(28日、甲子園球場)

 打ち勝つだけが野球じゃない。相手に得点を与えなければ負けることはない。リーグ最少失策を誇る阪神守備陣が鉄壁の守りで失点を防いだ。ファインプレーのたびに拍手に包まれた甲子園。3連勝で今季最多の貯金8。リーグ最多タイとなる今季9度目の完封勝ちが、藤川阪神の進む道を示した。

 横っ跳びに背走キャッチ、ボテボテのゴロへの全力ダッシュ、素早い持ち替えでの併殺完成…。プロの匠の技が何度も何度も光った。点差はわずか1点。それも2試合連続で1-0での勝利。守って、守って、守り抜いて1勝をつかみ取った。

 プレーボール直後からスタンドが沸いた。先頭・桑原の三遊間へのゴロをヘルナンデスがダイビングキャッチ。強肩も披露し、1個目のアウトをもぎ取った。いきなりユニホームは真っ黒。「これだけ汚れたってことは、しっかりプレーしたってことだからね。誇りに思うよ」。泥だらけの助っ人がうれしそうに笑っていた。

 続く牧の飛球は二塁と中堅の間へ。白球が空から地面へ近づくにつれ、どよめきが増していく。中野は懸命に追った。風も強い。体を切り返すこともできない。瞬時の判断で捕手にお尻を向けた背走キャッチでグラブに収めた。「フライを逆向きで捕るのは練習から自分でやってるから」。サラリと言うが、2つのビッグプレーが門別の立ち上がりを救った。

 これで終わらない。四回1死一塁では柴田の当たり損ないのゴロをヘルナンデスが素早くランニングスロー。アウトにならなかったが、失点を防いだ好守もあった。五回2死一、二塁で宮崎の二遊間のゴロに木浪がダイブ。「抜けてたら絶対に(点が)入ってる」と門別。二塁送球はセーフとなったが、1つの進塁で止めたことが無失点につながった。

 「アウトにできたら一番良かったですけど、最低限のプレーだったんで良かったと思います」と木浪。最低限が最高の仕事だ。さらに、木浪と中野の二遊間コンビは併殺も2つ完成させた。二回無死一、二塁と七回無死一塁。七回は相手ベンチからリクエストが要求されるほど、際どいタイミング。だからこそ、あうんの呼吸が必要だった。

 2人は試合中もよく言葉を交わす。昨季は中野にミスがあると、木浪が励ましてくれた。「ダブルプレーに関しては、話さなくても分かるようになってきた」と中野。それだけ信頼しているからなせる技。「投手もその後を楽に投げられる」と一気に2つのアウトを取って、流れを渡さなかった。

 チーム19失策はリーグ最少。藤川監督も「ディフェンス面でも攻める意味でアウトが取れている」とたたえた。リーグ最多タイとなる9度目の完封勝ちで今季4度目の3連勝。貯金は同最多の8となった。「締まった守備を内野手からやっていけるように」と選手会長。まだまだ虎党を“美守”で酔わせる。

 ◆リーグ最少の19失策 阪神はこの日で今季48試合を消化してリーグ最少の19失策。過去5シーズンの48試合消化時点でのチーム失策数は2020年=37、21年=32、22年=23、23年=28、24年=26。

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