阪神・坂本は「配球の天才」デュプランティエを完封アシスト 打っては2戦連続マルチ&24戦連続出塁

 「阪神2-0ロッテ」(19日、甲子園球場)

 109球目の投球をミットに収めると、右拳を握ってマウンドへと駆け寄った。女房役の阪神・坂本誠志郎捕手にとっても完封勝利は格別の味。「デュプランティエさまさまだと思います」。熱く抱き合い、お立ち台ではお互いにべた褒め。「配球の天才」と称されると、照れくさそうに笑いをこらえた。

 前回登板は球数がかさみ4回降板。「もう一回どんどんアグレッシブに攻めていこう」。シンプルなビジョンを伝えた。三回までは三振なしで無失点。中盤からは「いつも以上に」キレキレのカーブを中心に12奪三振とリードで勝利へ導いた。

 23年には梅野の離脱もあり、正捕手として優勝と日本一を経験。これ以上ない財産を得た分、昨季は壁にぶち当たることもあった。「やり返そうって相手は来るわけで対策も感じる。それを上回るだけのことをやっていきたい」。思い通りにいかない。そんな時でも信念だけはブレなかった。

 「それができる投手はいるから。一緒に乗り越えたい。勝ちを積み重ねたい」

 捕手として信頼を得ているのは、それだけ投手を信じているから。デュプランティエが“天才”という理由も分かる。

 打っては24試合連続出塁と絶好調は変わらない。スタンドでは母校・履正社の後輩たちも応援してくれた。「まだまだ、もっともっと、と思いながらやりたい」。天才と呼ばれる裏には、人一倍の努力と研究力があることも忘れてはいけない。

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