【スポーツ】バスケ男子日本代表ホーバス監督が思い描くチーム構成とは キーワードは「フィジカル」
バスケットボール男子日本代表が、2025年初となるA代表の合宿を行った。28年ロサンゼルス五輪へ向けた始動の1年。続投が決まったトム・ホーバス監督が思い描くチーム構成とは-。
ホーバス監督は48年ぶりに自力で出場権を得たパリ五輪に続き、指揮を託された。ロサンゼルス五輪へ向けた始動の1年目となる今年は、新戦力の発掘が必要不可欠。現在、思い描いているチーム構成についてこう語る。
「3点シュート、速い展開とかスタイルは変わらない。大きいポイントガード(PG)がいたら絶対に見たい。他のポジションは身長は当たり前だけど、フィジカル(を見たい)。フィジカルなディフェンダーが集まったら面白いかな」
パリ五輪までのPGは河村勇輝と富樫勇樹の2人が務めたが、それはゲームコントロール能力に加えて、得点力も兼ね備えていたからこそ。世界的に見ても小柄な“二枚看板”は異例で、指揮官も「(最初は)小さい選手が入るとは思っていなかった。彼らは特別」と語っている。米国で研さんする河村が3年後も正司令塔を担うことになるとは思うが、戦術の幅を広げるためにも、サイズのある新たなPGを求めていくようだ。
他のポジションでキーワードに挙げたのは「フィジカル」。一連の騒動もあり、八村塁の代表参加は現在のところ不透明。招集できたとしても前回と同様に、五輪のみとなる可能性は高い。
さらにこれまでゴール下を支えてきたジョシュ・ホーキンソンは33歳、チームの精神的支柱の渡辺雄太は2028年には34歳を迎える。他競技に比べても体力消費が激しいバスケットボールで、3年後も全く同じ運動力を維持するのは正直難しい。出場権獲得の懸かる27年W杯などを戦い抜くためにも、ペイント(ゴール近くの小さい長方形に囲まれたエリア)内を任せられる「フィジカルのある選手」発掘は不可欠だ。
5日に行われたディベロップメントキャンプ(有望な若手を集めた合宿)の取材時に、ホーバス監督が自ら口に出した選手は、渡辺伶音(18)、瀬川琉久(18)、ジェイコブス晶(20)、山ノ内勇登(21)、川島悠翔(19)の5人。高校生ナンバーワンPGの瀬川、身長207センチの山ノ内らの名前が挙がった。この選手たちが世界と渡り合える選手に成長するかどうかが、ロサンゼルス五輪出場に向けて重要になりそうだ。
五輪は世界で12カ国しか出場できない。日本は27年W杯のアジア最上位での獲得を狙っていくことになる。思い描く理想のチームは、パリ五輪までの道を切り開いてくれたベテランと、成長した新戦力が融合した新生・ホーバスジャパン。パリ五輪で届かなかった歴史的1勝を、バスケットボールの本場・米国でつかむ姿が見たい。(デイリースポーツ・谷凌弥)




