バスケ男子 渡辺雄太が15分の訴え 八村と日本協会“内紛”真実「悪者は1人もいない」発端、悪化の経緯明かす 騒動でホーバス監督は憔悴
バスケットボール男子米プロNBAのグリズリーズなどで6季プレーした渡辺雄太(千葉J)が28日、都内で対応し、米プロNBAの八村塁(レーカーズ)と、日本バスケットボール協会(JBA)の間で起こっている問題について「悪者は1人もいない」などと約15分間語り、私見を交えながら、ことの発端などを明かした。
「塁の発言自体はいいとして、臆測が臆測を読んで、事実と異なる報道がされたり、個が攻撃されていると感じた。(僕が今から話すことは)塁にも連絡を取っていて、塁と対立する気はないと伝えて、『大丈夫』と連絡いただいている」と前置き。その上でゆっくりと口を開いた。
はじめに、「ホーバス監督と、八村の関係性はずっとよくなかった」と告白。きっかけは昨夏のワールドカップ後の会見で語った指揮官のコメントを切り取った記事だったという。
当時は、48年ぶりに自力でパリ五輪出場権を獲得した翌日。会見で「五輪での八村塁メンバー入りの可能性」を報道陣から問われた指揮官は、八村からの連絡を待つ、たとえ八村がいなくても五輪で戦えるメンバーを作る、という主旨の発言をした。
このホーバス監督の言葉の真意は、W杯で活躍した選手への敬意と、そもそもエージェントを務めるワッサーマンが八村との直接連絡を遮断していたことが背景にあったから。しかし、その会見でのコメントは複雑に切り取られ、世間には八村へのリスペクトを欠くかのように伝わってしまった。
「変な切り取られ方をした記事が出てしまって、それを塁が見て怒ったのが始まり。僕も塁にすぐ連絡を取って、『トムの発言の内容は塁を敵にするような発言ではなかった』と伝えたが、塁からしたら、『世間から思われてしまっている時点であの発言はまずかったんじゃないか』と言っていた」(渡辺雄)
そこから八村と、ホーバス監督の関係性は悪化し、修復できずパリ五輪を戦うことになった。そして今回の日本協会VS八村の構図を作り上げて言ってしまった。渡辺は「ワッサーマンも大事なクライアント(八村)に集中してほしいから連絡を遮断していて、僕も理解できる。だから悪者は1人もいない」と語った。
多くの臆測の記事が飛び交い、渡辺によるとホーバス監督は現在、精神的に疲弊しているという。「僕はトムが大好き。日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいと思っている。もし今回の件でトムが辞めさせられたり、精神的にしんどくて辞めてしまうというようなことがあった時には、この雰囲気を作った状態、世間の雰囲気を僕からしたら許せない。日本代表は崩壊していくと思う」と話した。
八村と日本協会の海を越えた“内紛”。「(代表選手、日本協会などの)中の人間がこの問題と向き合って、さらに強い日本代表をコートで見せていけたら。応援よろしくお願いします」と渡辺。ホーバス監督について、八村の発言に至った気持ちについて、全てに寄り添える渡辺だからこそ、渡辺は15分間熱弁し、真実を語った。