【野球】2日に凱旋登板の阪神高卒2年目左腕・門別 岡田監督を「井川と比べても比較にならん」とうならせたシーンとは

 阪神の門別啓人投手(19)が2日の日本ハム戦(札幌ド)でプロ入り後初めての凱旋登板に臨む。

 高卒2年目の今春は初めて1軍キャンプに参加して完走。宜野座では以前から能力を評価していた岡田監督が、さらに期待値を上げた場面があった。

 2月11日、チームの今年初実戦となった紅白戦。先発の門別は初回先頭から連打を浴びるなど、1死一、三塁のピンチを背負った。さらに打席に迎えた中野には2ボールとしてしまう。さすがに苦しいかと思われたが、4球連続ファウルの後、ボール球を挟んで3球連続ファウル。ここまで全10球が直球だった。

 迎えた11球目。岡田監督が「すごかった。あそこがハイライトやで」とうなった場面が訪れる。

 本塁後方のネット越しから見つめていた指揮官は、隣に座っていた杉山オーナーから11球目の球種を問われた。そして「そろそろ変化球だと思います」と返答している。

 だが、門別はいい意味で予想を裏切る。外角低めへの直球を投じ、昨季セ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した好打者を空振り三振に仕留めた。

 岡田監督は興奮気味に振り返った。「よう投げたわ。中野に前へ飛ばさせんかったわけやろ。11球目以外も高めに浮かへんからな」と絶賛し、偉大なOBも引き合いに出した。

 「井川の2年目も見てるけど比較にならん」

 1998~2002年まで阪神2軍指導者だった岡田監督は、98年に水戸商から入団した井川が1軍に定着するまでの過程を見ている。門別には2度のリーグ優勝に貢献した左腕エースの同時期よりも高評価を与えた。

 登板後に直球の質を問われた門別は「6割ぐらい」と話している。それでも中野と同じく外角直球で空振り三振した木浪は「伸びがすごかった。ファウルにしようとしたけどできなかった」と振り返った。久保田投手コーチも「高めに浮かないし、逆球は2球しかなかった」と紅白戦の内容を評価し、キャンプを通じて「すごい可能性を秘めている」と伸びしろを感じ取った。

 門別は周囲を驚かせた「11球」の後、17日の練習試合・楽天戦(宜野座)でも3回無失点だった。ただ、現時点での立ち位置はアクシデントなど備える第2先発候補だ。

 岡田監督は昨季がBクラスなら、門別を起爆剤として開幕ローテに抜てきする可能性もあったというが、「100%ない。簡単に明け渡すもんじゃない」とし、昨季の日本一に貢献した村上、伊藤将らを優先して開幕ローテを編成する方針だ。

 同じ立ち位置には及川らライバルは多いが、依然として門別へ評価は高い。地元で迎える3度目の実戦登板。再び岡田監督を驚かせることができれば、開幕1軍入りが近づく。(デイリースポーツ・西岡誠)

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