【野球】阪神 開幕ローテ急浮上!強心臓ドラ3左腕・桐敷のシンプル思考

 3回、アウトカウントを確認する桐敷(撮影・田中太一)
4回、楽天・小深田大翔を中飛に仕留め、野手に合図を送る阪神・桐敷拓馬=甲子園(撮影・高部洋祐)
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 阪神ドラフト3位・桐敷拓馬投手(22)=新潟医療福祉大=が、6日のオープン戦・楽天戦で甲子園デビュー&“プロ初先発”を果たした。許したのは内野安打1本のみで、4回無失点。開幕ローテ入りへ鮮烈なアピールを見せた。

 安定感が光った。140キロ前半の直球に、ツーシームやスライダーなどを織り交ぜ、コースに投げ分ける。左打者6人がスタメンに並んだイヌワシ打線に対して、キャンプから課題に挙げる内角へも臆することなく投げ込んだ。

 印象的だったのは、二回先頭・辰己への2球目。ツーシームで内角低めを厳しくえぐり、辰己がのけぞるような形でハーフスイングの空振りを奪った。「左のインコースに投げられたことで、他のスライダーであったり、外の真っすぐであったりが生きた」と本人も納得顔だ。

 プレートの一塁側を踏む左腕。左対左では打者にとって背後からボールが来るように感じさせる利点がある一方、内角へ投じる際にはボール球になる不安や死球を与える恐怖心を感じかねない。だが、桐敷の思考は至ってシンプルだ。

 「インコースに投げるというよりは、キャッチャーのミットに投げるという意識で投げてます。どうしてもインコースに投げるってなると、バッターに当ててしまうとかが頭にちらついちゃうので。ミットに投げる、キャッチャーがインコースに構えているだけと簡単に考えてます」

 このシンプル思考は、他の場面でも生かされた。先発予定だったガンケルが腰の張りで登板を回避し、急きょ巡ってきた“プロ初先発”。「最初は少し力んだ」と初回先頭の西川は、2球で追い込んだものの、フルカウントまでもつれ、いきなり四球を与えた。

 「追い込んだ後、ピッチャー有利のカウントなのに、自分から不利にしてしまうというところが課題」と反省。ただ、三回2死走者なしでの2巡目の対戦では、気持ちを切り替えた。「1打席目は、追い込んだから、より厳しいところに投げようと思ってフォアボールにつながっちゃった。逆に、追い込んでもアバウトにっていう風に考えました」。2ストライクからフォークを外角低めに落とし、左飛に仕留めた。

 ルーキーらしからぬどっしりとした風格を醸し出しているが、「こんなに早く先発で投げられる機会があると思っていなかったので、最初は本当に驚きというか緊張もあった」と不安がないわけではない。それでも、「いざ試合になったら自分のピッチングをするということを頭の中で考えていたので、それは出せたのかなと思います」ときっぱり。これから幾度となく訪れるであろう厳しい局面も、桐敷拓馬らしく乗り越えていく。(デイリースポーツ・間宮涼)

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