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【野球】昨秋近畿王者・智弁学園 5年ぶりセンバツVへ 撃破した大阪桐蔭からも学ぶ

 第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決まった。昨秋、激戦の近畿大会を制した智弁学園(奈良)は、順当に2年連続14度目となる春の甲子園切符を手にした。近畿王者として狙うのは2016年以来、同校2度目の大会制覇だ。

 主将の山下陽輔内野手(2年)は目標を聞かれると「日本一です」と即答。高校通算30本塁打でプロ注目のスラッガー、前川右京外野手(2年)も「自分たちの目標は新チームが始まった時からずっと日本一なので、やっとスタートラインに立てた。ここからが勝負」と表情を引き締めた。

 出場校選考の重要な資料となる昨秋公式戦は8勝1敗。奈良大会決勝で天理に2-8で敗れたのが唯一の黒星だ。奈良2位校として出場した近畿大会で滋賀学園、龍谷大平安(京都)、市和歌山、大阪桐蔭とすべて他府県の1位代表校を連破して、頂点に立った。

 大阪桐蔭との決勝では今秋ドラフト候補の松浦慶斗、関戸康介の両投手(ともに2年)を攻略。9年ぶりに近畿大会を制覇したが、智弁学園ナインには油断も慢心もない。前川は「自分たちは近畿大会で優勝したけど、県大会で天理に負けている」と宿敵に敗れた事実を忘れることはない。

 今春センバツには天理も選ばれたが、夏の選手権大会での奈良代表は1校のみ。「夏は天理に勝たないと絶対に甲子園に行けないと分かっている。センバツで天理よりも結果を残して、智弁学園の強さを出していけるように頑張りたい」と強烈なライバル心を燃やす。

 敗戦の悔しさをバネに奮起することはよくある話だが、今年の智弁学園の強みはそこにとどまらない。それは自分たちが倒した相手からも学ぼうとする姿勢。その相手とは近畿大会決勝で戦った大阪桐蔭だ。

 前川は振り返る。「勝ったのは良かったですけど、大阪桐蔭の選手と比べて、体つきとか打球の速度とかが違った。試合に対して堂々というか、どっしりとした選手がいっぱいいた」と7-3の快勝に酔うことなく、甲子園で春夏計8度の優勝を誇る全国屈指の名門を、冷静な目で分析していた。

 部員で話し合った結果、「(大阪桐蔭の)そういうところを自分たちは見習わないといけない」という結論が出た。

 その後、全体練習で最低1200スイングのノルマを設定したり、体を作ろうとウエートトレーニングに積極的に励んだりしてきた。山下主将は「1年生、2年生から活躍していたメンバーが最上級生になって、特に責任感を持ってやってくれている」とチーム全体の成長を実感する。

 今年の智弁学園は3番・前川、4番・山下と強力打線の軸がしっかりしているだけではない。投手陣も西村王雅投手、小畠一心投手(ともに2年)の左右二枚看板がそろっている。非常に高いレベルで攻守のバランスが取れた近畿王者にふさわしいチーム編成だ。デイリースポーツ紙上でも8校あるA評価の1校として、優勝候補に挙げられている。

 阪神ドラフト5位・村上頌樹投手(東洋大)を擁し、2016年センバツを制した経験がある小坂将商監督(43)も「選手の力自体は今年の方が絶対にある」と自信を口にする。

 「頑張るだけでなく、結果を求めてやっていきます」ときっぱり言い切る前川。有言実行で紫紺の大旗を手にできるか。2年ぶりの開催となる今春センバツでは、敗者からも学ぶ智弁学園に注目だ。(デイリースポーツ・斉藤章平)

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