【野球】唐津商の坂本勇人も2000安打祝福 名前負けしない

 巨人・坂本勇人内野手がプロ野球史上53人目、史上2番目の年少記録で2000安打を達成した。9日の関東圏の新聞紙面は坂本の見出しが躍ったわけだが、偉業達成にもう一人の坂本勇人も喜んでいた。育成ドラフト6位で巨人から指名された佐賀・唐津商の坂本勇人捕手だ。

 父・光三さんは「本人も自分のことにようにうれしそうだったと聞いています」と語る。達成の瞬間は所用で勇人捕手は自宅におらず、それぞれ別の場所で喜んだという。

 名前の由来は野球好きの光三さんが当時、めざましい活躍をしていた寺原隼人投手の「はやと」にあやかり、画数をよくしようと曽祖父の「勇」さんの一字をもらい、「勇人」となった。

 ただ、やはり名前が全く同じとなると、どうも同じ人と比べてしまうのが、人間の性だろう。父・光三さんは勇人捕手のこれまでの野球生活で苦労はなかったかと聞くと「小、中、高と比べられてはいましたが唐津ではほかの子よりも野球が少し、うまかったこともありプラスにはなっていましたね」とそれ相応の活躍が、いい意味で目立つことにつながっていたと語る。

 ただ、プロ入り後は、壁にぶつかった時は名前がマイナスにつながる可能性もなきしにもあらずだ。私ごとであるが、忘れもしない20年前、通院した病院の待合室。「シバタさん、シバタキョウヘイさん、診察室にお入りください」。初老の男性が立ち上がった時、ある女性の一角からクスクスと笑いが起こった。当時、刑事ドラマで人気を博していたイケメン俳優・柴田恭兵さんと同姓同名の方だった。有名人と同じ名前でいちいち反応されることに、本人も迷惑だろうと思ったものだ。

 それでも勇人捕手はさほど心配はないと父・光三さんは言う。「比較されても気にするタイプではないとは思います。ジャイアンツという育成システムのしっかりとした球団に指名されたことは本人にとって大きなプラスになるはずです。まずは環境に慣れて、支配下に上がることを目標に頑張ってほしいですね」と背中を押す。

 勇人捕手は周囲を気にせず、地道に一歩一歩進んでいくタイプという。高1からまじめに取り組んできた授業で簿記は1級に合格。合格率は全国で10%以下の狭き門をくぐりぬけてきた努力家でもある。

 「悩むこともあるでしょうけど、コツコツとやるタイプなので、一歩一歩、課題を克服していってほしいですね」と光三さん。一足飛びで2000安打を放った坂本のような技術、身体能力は身につかないことは本人も父・光三さんも承知。地道にできることからコツコツと。将来、巨人軍の1軍に必要とされる戦力へ、プロ入り後はたゆまぬ努力を重ねていくことだろう。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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