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【競馬】SNSで密かに人気上昇中 JRA現役最高齢牝馬メイショウラバンド

 週末の予想をしていて馬柱とにらめっこ。気になるところをチェックしていると…ムムムッ?目を疑うような数字を見て、思わず赤ペンが止まった。

 20年9月21日の中京12R(3歳以上1勝クラス、芝1200メートル)は、フルゲート18頭立て。その内訳は、3歳馬10頭、4歳馬6頭、5歳馬1頭。そして私の手を止めた9歳牝馬のメイショウラバンド(栗東・石橋)という組み合わせだった。

 あまりにも突出した年齢が気になり、調べてみた。現在、地方の名古屋競馬には16歳のヒカルアヤノヒメというとてつもない牝馬がいるそうだが、JRAの牝馬ではラバンドが最高齢。牡馬は9、10歳馬が活躍中だが、現役の9歳牝馬はこの馬1頭だけだ。

 もしかして…。SNSをチェックしてみると、地味ながらもにわかに盛り上がりを見せていた。「おばさん、すごい!」「姐さん、頑張れ!」。競走馬の9歳と言えば、ヒトならば40~50歳ぐらい。そのタフネスぶりには頭が下がる思いだ。

 メイショウラバンドは13年10月、今は解散した藤岡範士厩舎からデビュー。京都で行われた新馬戦は7着に敗れたが、当時の勝ち馬は何と、今年産駒がデビューしたモーリス。この事実だけでも同馬が歩んできた長い歴史を感じる。

 初勝利は石橋守厩舎に転厩後の14年8月24日。武幸四郎騎手(現調教師)の手綱で小倉芝1800メートルを勝ち上がった。その後も息の長い活躍を見せ、ここまで通算66戦1勝、2着8回(10月12日現在)。ベテランの蛯名から若手の斎藤まで、17人の騎手とコンビを組んできた。

 血統もシブい。父は奇遇にも前述ヒカルアヤノヒメと同じメイショウオウドウで、母の父はメイショウドトウという“松本ブランド”。母のメイショウハナビには、騎手時代に石橋師が2度騎乗している過去がある。

 早速、栗東トレセンで石橋師を直撃。ファンの存在を伝えると「それは会長(オーナーの松本好雄氏)も喜ぶんじゃないかな。ラバンドは僕が厩舎を開業し、藤岡先生から引き継いだ馬の中で唯一残っている馬なんだ」と教えてくれた。

 現役続行中の9歳牝馬に「丈夫というか、元気がいい。乗ったジョッキーはみんな“9歳とは思えない”って言うからね。常に一生懸命走ってくれるし、えらい馬だよ」と笑みを浮かべる。

 長く現役を続けているが、石橋師によると「実は、去年の2月の小倉で“もう引退させましょうか”という話になった」そうだ。しかし、いまだに現役続行中。「そのレースで3着に来て(笑)。その後、放牧明けの夏場も好走してね。現役生活が延びた」と経緯を説明してくれた。

 いつまで現役を続けるのか?その質問に、石橋師は「そこは会長の判断に任せます。でも、元気なうちは頑張ってもらいたいですね」と愛馬にエールを送る。ファンに向けては「入場規制が緩和されたとはいえ、本来ならば、競馬場でたくさんの方々に応援してもらいたいところ。コロナ禍が終息した際には、ぜひラバンドを応援しに来てほしいです」とメッセージを送る。

 ラバンドは現在、前記の中京戦で15着に敗れた後、いったん放牧に出された。会話の最後に、私が「リフレッシュして、またいい走りを見せてほしいですね」と師に振ると、その返しが実に微笑ましかった。「リフレッシュというか…。ラバンドはもう分かってるんだ。“ここでいったん休憩ね。で、トレセンに戻ったらまた競馬だね”って(笑)」。味のある9歳牝馬の奮闘。皆さんもぜひ応援して下さい。(デイリースポーツ・松浦孝司)

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